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和田久輝さんと次男翼ちゃん
『みんなと共存共栄で歩みます!』


和田さんは、五歳、三歳、一歳の三人の息子さんがいる。その中の次男、翼ちゃんは知的障害を持って生まれてきた。会社の仕事とは別に、ささやかな夢がある。それは、翼ちゃんと一緒に『翼の家』を造るということ。

「ダウン症として生まれた翼には、教えられることが多く、この子を通して障害者の生き甲斐ある生活のお手伝いをしたいと思います。翼の家でロクロを回して焼き物を焼いたり、田畑を耕したりできたらと思います。翼が受け入れてくれるならですが」

12年前の玉しぼり法による健康にいい食用油の製造に始まって、無農薬の原料にこだわっているうちに自然農法の農業も無視できなくなり、契約栽培農家のグループ化、自然農法の普及へと進み、油と一緒に他の農産物も手がけるようになった。さらに、翼ちゃんを通じて、社会福祉・社会貢献へと新な展開を計画する和田さん。

「水や空気など環境の問題も、自分だけ良ければいいという考えではなく、常に隣の人もいるのだという感覚で行動したいものです。企業も利益主義ではいけません。障害者も養護学校卒業後、社会人となってから生き生きして仕事ができ、この世に生まれてきてよかったと思えるような場を作りたい。会社の仕事をしていて、お客さんの喜びを知ることが一番の幸せ。そんな喜びを、障害者にも味わってもらいたい」

和田さんの「小さな製油所の大きな試み」(鹿北製油の社報の題名)は着実に実を結んでいる。


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