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〇オホーツク網走マラソンにおける「スポーツくじ」について 網走市


  令和6年5月
15日 午前9時30分〜11 


1.視察意図 

 私たちの「香川丸亀 国際ハーフマラソン」も歴史を重ね、世界に「記録の生まれるコース」として評価されるようになりました。押しも押されもしない不動の位置を占めていますが、これから香川県内でのフルマラソンコースが設定されるなどの動きもあり、今後の動向に目が離せません。

 財政面でも、参加者人気に支えられて安定した姿を呈していますが、資金の調達がさらに充実すれば、これに越したことはありません。

 私が着目したのが「スポーツくじ」です。

 すでにわがまちのハーフマラソンでも会計報告を見ると取り入れられているようですが、その仕組みを学び、これからさらにこの収入を拡大させる方策はないか、また大会で資金の使い勝手はどうなのか、教えていただこうと思いました。


2.視察の詳細

〇網走マラソンの概要。2007年の「東京マラソン」を火付け役として、マラソンは空前のブームに。各地で開催が競われ、そこでしか味わえない「らしさ」をいずこも追求している。同時にいずこも、人集めと資金調達に悩み、奔走している。オホーツク網走マラソンは2015年に第1回大会。運営上の課題を克服、改善しながら5回大会までこぎつけた。ここでコロナとなり、オンライン大会を全国に先駆けて開催した。8回大会からリアル大会に戻り、9回大会では日本最大級のランニングポータルサイト「RUNNET」の大会レポで第1位の評価を得た。

〇目的は、網走の魅力を発信しつつ、市民の健康増進、ホスピタリティー精神の向上と育成、将来的な障害者スポーツの推進を図ること。大会コンセプトとして「網走(オホーツク)の食・景観・歴史をすべてのランナーに満喫していただく大会。

〇9月開催の強み。北海道以外では9月開催は困難。北海道マラソンのエントリーから漏れた人に走る場を提供。

〇今年の大会は9月29()を予定。フルマラソン参加申込者は2300人を見込む。定員は3000人。網走刑務所をスタート、大曲湖畔園地をフィニッシュとする。

〇大会収支。23年決算で収入総額4200万円余のうち、参加料が2100万円余、負担金が1300万円余。負担金は市支出だが、その中にTOTO助成金800万円を含む。これにより、市の実質負担は530万円。大会参加費は11000円。

〇助成の条件としての「スポーツくじ」表示。スタートゲート、フィニッシュゲートでのコーン表記、ボランティア募集のチラシ、一般チラシとポスター及びボランティアウェアにロゴマークを入れる。

〇網走市では第1回大会から助成金を活用している。対象経費の最大5分の4が助成額。市の大会経費1300万円、上限1000万円×0.8=800万円。

〇助成金の額の決定には判定がある。申請が判定され、結果Bになるとさらに8掛けの640万円に下がる。

〇スポーツくじを活用することに対しての批判は特にない。市の財源に資するため好評であると考える。ギャンブル意識とはつながっていない。

〇開催への助成のほか、スポーツ施設整備(天然芝の更新や備品整備)でも助成を受けている。

 

3.感想

 ボートレース事業を擁する丸亀市として、ギャンブル依存症対策が常に話題にされます。ギャンブルによる収益金を福祉目的に活用することは広く認められ、評価もされていますが、その原資がギャンブルであることへの批判はないのか、との心配は杞憂に終わりました。そもそも私たちのまちでも、建設中の市民会館をはじめ、公営ギャンブルの使命とされる福祉の進展へ大いにお世話になっている立場です。安定した大会運営に寄与する大切な助成金であり、明確な積算基準に基づいているとの説明を受けました。ここには「よりたくさんもらう」という算段の余地もないことが判明しました。全国各地のマラソンの催しがそれぞれの特色を生かし、強みを生かして開催され、健康や観光に寄与しています。わがまちをアピールし、さらに充実・発展するよう、これからも香川丸亀のハーフマラソンを見守ってまいりたい。

                

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