○友好都市北海道京極町を視察 北海道京極町
1.視察意図
いつか訪問してみたいと念願していた、丸亀市と友好都市で結ばれている北海道京極町。これからのますますの交流発展を模索し、まずは「百聞は一見に如かず」と、訪問を決意。町長、町議会議長らにもお時間をいただくことができましたので、短い滞在時間でしたが町のシンボルである「ふきだし公園」にもご案内いただき、友好のひとときを持たせていただきました。
2.京極町の概要
北海道道央の西部、東は札幌市に、西は倶知安町に隣接する場所。町の面積231平方キロは丸亀市の約2倍。人口は約3800人。
丸亀藩主であった京極高徳子爵が明治30年に未開地を開拓。昭和13年、京極農場を開放、15年京極村に。37年、京極町。
名産品として男爵イモ、ポテトコロッケほか。
町のイベントは7月中旬の「しゃっこいまつり」、8月14、15日に「ふるさとまつり」が開催される。
3.京極町の観光の目玉、「ふきだし公園」と湧水
標高1898m、別名「蝦夷富士」と呼ばれる羊蹄山から降りて来る美しくておいしい水。水量1日8万トン。昭和60年環境庁「名水百選」、平成8年国土庁「水の郷百選」、平成13年「北海道遺産」、17年国土交通省「手作り郷土賞」。次々と施設を整備し、遊歩道、道の駅、野外ステージ、京極温泉、キャンプ場、テニスコート、ゲートボール場などを備える町民の憩いのスポットとなっている。
名水を活かした特産品開発として、ミネラルウォーター、コーヒー、コーヒーゼリー、名水酒など。
「羊蹄のふきだし湧水」のイメージキャラクターを平成3年に選定。ゆうくん・すいちゃん。
4.訪問記
希望を言えば京極町に1泊し、代表的なスポットだけでなく町の津々浦々を散策し、町民の方々と触れ合うような体験をしたかったのですが、全体の行程と、町に宿泊施設の確保が難しかったことで断念しました。
町役場では町長、町議会議長さんをはじめとする皆さんが出迎えてくださいました。
しばし「名水とは」など話に花が咲き、丸亀のお城まつりなどでの交流をもとにこれからの交流の拡大についても語らいました。たまたま、私たちの訪問の翌週に、京極町の子どもたちとともに丸亀を訪問する計画があると聞きました。そう簡単に行き来できる距離ではありませんが、それだけに、両市民町民にとっては思い出深い往来になると思います。
役場での対談のあと、「ふきだし公園」にご案内いただきました。単においしい水が湧くというだけでなく、それが実用され、また親水エリアとして住民たちによって守られているという諸要素が、「名水百選」をはじめとするさまざまな栄誉に輝いている背景にあります。大きな切り株をかたどったトイレを横目に、次第にスロープを降りていくと、ひんやりとした緑の空間に澄み切った池が出現し、その源流をたどると勢いよく湧き上がるスポットがありました。遊歩道に観光客の姿が多く、外国人の団体客もあるようでした。小樽に上陸してこちらを目指すのだそうです。
カップが準備され、すくって飲む湧き水は清冽。手をつけていられない冷たさ。7月下旬の訪問でしたが、ほどほどにしておかないとお腹をこわすぞと思うほどの凍みるような冷たさでした。周辺の緑と木漏れ日が、水の味を一層際立たせていたと思います。目にした光景はそれなりにカメラに収めて帰れますが、あの場所で飲み干す水の味は、映像にも言葉にも残せません。
道の駅に回り、アイスクリームや焼肉なども賞味させていただいて、この場でもしばし語らいを。
最初、町役場に到着するまで、羊蹄山には雲がかかって頂上が見られませんでしたが、この頃には雲が消え、全容を私たちに見せてくれました。ラッキーこの上ありません。
ここで皆さんとはお別れし、帰途に。
道中の羊蹄山の眺め、裾野の美しい町からの山容の眺め。とうとうたる川。そしてジャガイモ畑一面の白い花。何度も振り返り、場所ごとに異なる蝦夷富士の姿をカメラに名残惜しげに収めながら、小さくなっていく富士と別れ、京極町を後にしました。
明治30年の開墾に始まる深い縁(えにし)。そして蝦夷富士と讃岐富士という自然の恵みでつながる奇しき縁。かつて丸亀で「全国富士サミット」を開催したときにも、山崎町長が丸亀に来られ、シンポジウムでもたいへん面白く自らの登山体験を交えてトークをされるなど、私が京極町にあこがれるひとつのきっかけを作ってくださっていました。
歴史も、山容も壊れることのないものですから、これからますます、より深く、市民町民の裾野の広い交流が開花することを心から望みます。