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○島原情報マイスター制度                島原市

 

1.視察意図

 「市民が島原の〝旬〟な情報を市フェイスブック等で発信」。市役所の担当部局が情報発信するのには限界があり、またいわゆる「型破り」なことも載せられません。市民が発し、市民が受け取り、ここに情報の盛り上がりを築く。これからの市政のあり方になくてはならない先進的な取り組みを視察させていただきました。

 

2.「情報マイスター」の概要

 市職員が発案したアイデア。市在住か市内に勤務している人を20名程度募集。

 まず必要なレクチャーを受けていただく。内容はタブレット端末の使い方、フェイスブックやユーチューブなどの扱い方、写真や動画の編集技法、など。

 19時から20時半まで、全部で9コマの「認定講座」を受講してもらう。資材は市で準備。受講修了で「マイスター」に認定。

 たくさんの〝熱い思い〟を持つ市民が応募。グルメ、スポーツ、朝日の光景、地元人しか知らない穴場・レア情報など、行政目線以外から市民の思いが届く。都会で仕事を辞めたIターン・Uターンの人々が島原の魅力を発信したいと集う。

 20名の枠を予定していたが35名が応募。皆さん熱い思いを応募用紙に綴っていて、結局1名のキャンセルを除く34名が受講。(男性24、女性10

 講座は公民館の大ホールで行う。35台のiPadをWi-Fi接続するには一般的な家庭用無線LANでは不可。高性能機器を導入。

 

3.感想

 視察に伺ってから早や1年半が経ちました。

 現在も活躍しておられるか、島原市のHPを覗いてみると、「情報マイスター」のボタンが見つかりました。「サイコー島原」とのタイトルで「さぁいこう!島原」とのネームで投稿が続いています。ダジャレも市民ならではと思います。

 この2ヶ月だけたどっても、満開の桜、しまばら芝桜公園、城下のツツジ、飲める温泉「しんわの泉」、「いいね!」が800突破、島原子ども狂言、葉っぱを天ぷらにするとおいしいと「有明のニンジン畑」、「湯江川にこいのぼり」、ギネスを目指す「流しそうめん大会」、JRのウオーキングの催し、紫陽花ナイトコンサート、などなど、美しい画像とともににぎやかにアップされていました。何のことはないふつうのニンジン畑の光景ですが、いかにも葉っぱがおいしそうで、観光スポットでもないのに、訪れてみたくなるほどです。

 市役所職員の皆さんだって、柔らかな感性や発想でどのようにも表現できるようなものですが、いただいた資料に「公平性を期するあまり、無味乾燥な情報発信となったり、リアルタイム性に欠けたり、個人的な交流が生まれないなどの問題がある」と、はっきりと「現状」という欄に書かれてありました。ちょっと気の毒な気さえしましたが。

 職員にヤル気がないのではなく、ほんとうに、公式に発表したものはどのような受け止め方をされるかわかりません。そういったリスク回避だけではもちろんなく、これからは手軽に誰もがカメラを持ち歩き、発信できる時代。その先端を切り開く「マイスター」の活躍は素晴らしいと思います。

 日進月歩で機器の操作もどんどん変化していくことでしょう。機器の進展以上に、市役所の感性の進化が望まれます。

 これを参考に、FBだけでなく広報まるがめ、また議会だよりへも、市民のセンス、市民の参加が待たれる、そのように感じました。


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