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〇公共施設マネジメント民間提案制度         館山市

 

 視察日時 令和6年1111日 午前10時~1130

 

.視察意図

 

 公民連携。言うは易いが、わが丸亀市政に、真にその必要性が理解され、そして実践されているのか、私にはとても疑問です。

 地元紙面で、市長がにぎにぎしくどこかの会社の社長や団体の代表と「連携協定」を結んだと写真に収まっていますが、ではその後、その協定はどう機能し、どんな成果を実らせているのかが、私たちには見えません。市民に知れてこそ実りがあるというもの。これらを含め、館山市が取り組む「公共施設マネジメント民間提案制度」、そしてその目に見える成果としての「旧富崎小学校跡地利活用」を勉強させていただきました。

 

.視察の詳細

 

〇導入経緯。市の行財政改革方針に「アウトソーシングの徹底」を掲げ、有休施設の有効活用」を含むあらゆる施策にチャレンジしてきた。頂戴した資料からそのまま抜き出せば、「民間事業者のノウハウやアイデアを『より引き出しやすく』また『施設の有効利用や効率化を促進』させるための手法」として、制度を導入した。

〇令和5年、廃校となった旧富崎小学校活用提案公募に際して民間提案制度を採用。

〇制度の概要。公募型プロポーザル式に準じた制度設計。公募提案者選定(即契約ではない)→詳細協議を経て随意契約を締結。

〇メリット。提案の自由度。包み隠さず本音の協議ができる。サウンディング方式だと、提案を聞いた行政がそのまま「拝借」することも恐れられる。行政も財政負担が発生せず、職員の労力もかけないで済む。それだけ事業の中身に注力できる。

〇実施フローは資料を参照。フローを通じ、しっかり協議すること、不合意、不成立の場合もあることを要綱に明記していることが特記事項。

〇採用された廃校利用のほかにも可能性を探ったが、成功を見なかった事例もあり。

〇廃校校舎の事例。3事業者の応募があり、ビタミンファーム株式会社を優先交渉権者に選定。無償貸付によるキクラゲ栽培施設を校舎の教室で行うことに。

市と事業者間で7回の協議、地元説明を5回とていねいに進めた。使用貸借期間は5年に設定。以後も地元説明を重ねる。年内に事業開始見込み。

 

.感想

 

 廃校の教室でキクラゲを栽培する。どんな光景なのか、現地のようすがちょっと想像しづらいですが、キクラゲの育成にとって、その環境はけっこう有利なものだそうです。

 市が構築したこの「民間提案制度」が想定するのは、こうした未利用財産の有効活用だけでなく、広告事業、ネーミングライツ事業など多角的。有効利用、財源確保、そして市民満足やサービス向上、事業者の利益も生む。良いことだらけに見えますが、そこに至るのにまず難関となるのは、市役所職員の意識と意欲ではないでしょうか。「廃校なら壊せばいいじゃん」という声が、どこからか聞こえてきそうです、失礼ながら。

 丸亀市では、今年度から市の財産の一括管理システムが始まりました。思い起こせば、これを議会で提案し、理事者とともに先進地を視察したことがありましたが、理事者幹部の皆さんは当時、まったく乗り気ではなかったと記憶しています。それが忽然と、今年、現実のものとなった。誰が、どこでどのように舵を切っておられるのでしょうか。できない、やるべきでない理由をあれほど並べておられたのに。

 本件「民間提案制度」も、ただ未利用資産の有効利用というだけでなく、職員の皆さんの意欲とアイデア、その有効利用もぜひお願いしたいものだと、そんなことも、視察の感想として思い浮かびました。


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