○「ホームタウンTENDO」の取り組み 山形県天童市
1.視察意図
丸亀市でこれから本格的に取り組むことが望まれるサッカーJFLの「カマタマーレ讃岐」への応援を通じてのまちおこし。天童市ではサッカーJ2の「モンテディオ山形」のほか、バレーとプロ野球という3つのプロスポーツ応援に取り組んでいます。今後の丸亀市の参考にさせていただこうと、視察することにしました。
2.事業の概略
・ サッカー(上記)のほか、バレーのパイオニアウィングス、プロ野球の東北楽天ゴール
デンイーグルスの3プロスポーツを、天童市を挙げて応援する「ホームタウンTEND
O」と名づけた事業を展開。
・ 現市長が初出馬に際して公約。「健康スポーツまちづくり」を標榜。まず、文化スポー
ツ部門を教育委員会から市長部局へ移した。次に「天童市スポーツ振興基本計画」《活力
あるスポーツタウンを目指して》の中に具体的に事業を盛り込んだ。
@p5「スホーツによる地域づくり」…地域密着のプロ・実業団のチームと連携し、子ど
もたちに夢と感動を、お年寄りに元気を与える存在に。
Ap9「地元実業団、プロチームの活躍」…裏方としてのボランティアの活動や、地元企
業や商店街、市民グループなど様々な支援活動を生み出す。
Bp13以下「する・みる・ささえる」の3本柱。
これらを通じ、3つのチームを「まちの誇り」にしていく。
・機関紙「ホームタウン TENDOだより」を年3回発行、市広報とともに全戸配布。
・街灯フラッグ、駅通路にパネル、次の試合の情報発信、応援のぼり、ホームゲームでは
宿泊者用シャトルバス、募金活動など。
・推進協議会としての活動。協議会に参加しているのはスポーツ関連団体のほか、市長を
会長に、商工会議所、農協、体育協会、教育委員会、観光物産協会、温泉協同組合、将
棋駒協同組合、ビジネスホテル協会、商店街連合会、麺類食堂組合、菓子組合、料理飲
食組合、公民館連絡協議会、小中学校・高校・短大など。官民挙げての体制。
サポーター宿泊料割引、アウェイサボーター向けオリジナル将棋駒、アウェイサポータ
ー歓迎のぼり旗の掲出(これはどこもやってない)、観光農園入園料割引、駅前でおもて
なし事業、試合の日は観光物産ブース出店など。
・各地区持ち回り応援組織。市内を10地区に割り振り、自分たちで組織した応援隊でそれ
ぞれのスタイルで応援する。現在6団体。
・選手との交流。市民とのパーティ開催。子どもたちとはスポーツ教室だけでなく、給食
をともにしながらの交流も。
・商店街のポイント制度「てんてんカード」との連携。勝ったらポイント2倍、など。
3.感想
説明者がおっしゃるのに、「行政だけでは取り組めないことにも、商工会議所傘下の90団体とのコラボなどを通じ、実現できている」と。
モンテディオ山形は昨年までJ1にいたが今年J2。再昇格をかけて力が入る。ただ、3つのチームを応援するのに、そのバランスなどが課題だということでした。
サッカーの応援を通じて人口が増えたという市もあるようだが、残念ながら天童市の場合はそうなっていないとも話されていましたが、それはまたそれぞれの地域の事情があるでしょう。それよりも、まさに市長が旗を振り、市民が盛り上がる、そのような仕組みができていることがすばらしいと思います。行政だけではできない、さりとて民間だけでは始まらない、そうしたものだと思います。
私がこれからサッカーを始めるわけでもなく、サッカーをやるような子どもを持つわけでもない。そんな私が丸亀市民として「カマタマーレ」にどう関わるのか。高齢者はどうするのか、関心のない人は? と考えるとき、天童市の「する・みる・ささえる」というキャッチフレーズはたいへんによく考えられていると思います。
正直言って私もサッカーにとりわけ思い入れがあるわけではありません。今シーズンは丸亀競技場での試合にはなるべく観戦に行くようにしていますが、目がらんらんと輝く、我を忘れる、といったファンではありません。それよりも、このまちに市民が盛り上がり、商店街も学校にも共通の話題や目標ができ、明るさを増し、まちが元気になるということのために、ほかにないホームタウンの「強み」を活かさねばならないと強く思うのです。
まずアクションを。と、さっそく6月定例議会の一般質問で訴えました。
市役所を訪れ、まず名刺交換を。いただいた名刺にももちろん3つのチームのロゴマークが。まずはここから、丸亀市でも大きく構想し、具体的な動きを始めるべきだと強く感じました。