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○うるま市庁舎建設                   沖縄県うるま市

 

1.庁舎建設の経緯

 

 H17合併。旧4庁舎に分庁方式で新市をスタート。市民生活に不便。職員も移動に時間がかかり、4つの庁舎維持もコスト高。これらの課題解消のため、H233月、「統合庁舎基本構想」を策定。今年11月の竣工を目指している。

 詳細。H20議会で市長が統合庁舎の必要性を答弁。庁舎建設検討内部調査委員会を開催。その調査結果をH21、庁議に報告し検討を始めることを庁議で決定。

 H22、建設委員会を15人で発足。7回の会合の結果、H23答申。これを受け基本構想を策定。総務部内に「庁舎建設室」を設置。

 H2438月 基本設計

 同10月~H258月 実施設計

 同11月~H2711月 建設工事 視察時点で70%の進捗率

 なお現在の他の3庁舎位置には、窓口機能を持たせる。

 

2.事業の概要、特徴

 

 総事業費476800万円のうち合併特例債活用は424100万円(用地費含まず)。

 充当率95%。

 景観条例高さ17m制限により、庁舎は3階建て16.7m。

 現在の本庁舎に隣接し、これと併設活用する方式。新庁舎に市民が訪れる窓口を集中配置。

建設方式として現庁舎の修復利用、新築、現庁舎と新庁舎の併設、の3試案を比較。分散庁舎の不都合を解決するため、またコストの最小化と、これからの時代の変化に対応することが現庁舎の取り壊し時には可能となることから「併設」方式に決定。

面積計算は総務省計算式に準拠して算出した面積から現庁舎分を差し引いた数字。

現庁舎にある議会機能をそのまま活用するので、議会スペースでの新築は、なし。

 現在の本庁舎と渡り廊下で繋ぎ、一体感と利便性。

 地下駐車場の空間を有効活用した「柱頭免震構造」を採用。

 自然換気、太陽光、雨水井戸水活用、屋上緑化、壁面ルーバーなど省エネ化。

 外周に回廊を配置し四方のどちらからも出入りできるレイアウト。

 市民の参画、市民への周知。基本構想ワークショップを2回開催。同時期に市民アンケートを実施。出された苦情や要望には「部署の場所がわかりにくい」「窓口がバラバラで手続きが面倒」「庁舎分散で困る」「駐車駐輪場が不足」「憩える場がない」など。その他パブリックコメント、地域説明会を実施。

 基本設計、実施設計完了時など、広報紙で状況を周知。工事監理においてブログを立ち上げ工事の進捗状況を発信した。

 

3.感想

 

 沖縄県には初訪問。石灰岩の隆起でできた島はなだらかな起伏でできており、うるま市には景観条例上の高さ制限が設けられていました。

 地上3階、地下1階の新庁舎が、招かれた現在の庁舎のすぐ隣に建設中。3ヵ月後の竣工に向け、急ピッチで工事が進んでいました。

 現本庁舎に到着すると、沖縄以外ではあまり見たことのない「城」をイメージしたような庁舎。城郭の周りに武家屋敷が広がるように、全方位に向けて均等な本庁舎の四方に駐車場が広がるレイアウトは、とてもユニーク。沖縄に来てここが最初の市役所訪問地でしたが、その後も、ここ沖縄の庁舎はどこもユニークであるとの印象を受けました。

 うるま市の庁舎建設の基本的な方針は、現在の庁舎も使い、渡り廊下で結んで、市民が訪れる窓口はすべて新庁舎に集中させる、ということ。車での来庁者が圧倒的に多いですが、このことに配慮し、駐車スペースも万全。現庁舎と併せて、ここがうるま市のコアエリアとしてさらににぎわうものと思われます。

 うるま市は沖縄中央部分の東海岸側に位置し、「海中道路」で結ばれた島嶼部まで、市全体が「U字型」をしている細長い市域になっていますから、ここまで来庁する市民のことを考え、これまでの分庁舎の機能に配慮することとしています。

 丸亀市も新庁舎位置が定まり、いよいよ基本構想という段階となり、私たち議会の活動するスペースの機能やレイアウトがにわかに関心高くなってきましたが、うるま市では現庁舎のまま議会は動かないとのことで、参考にすることができませんでした。

 ただ丸亀市でこれから基本構想に1年、基本計画に1年などいわゆる「常道」のスパンで計画されていることに比し、うるま市では基本計画に6ヶ月を費やし、達成しています。合併年は丸亀市と同じ17年であり、着手のタイミングは丸亀市が遅いですが、ここで時間を倹約する事で、いま丸亀市が計画しているH3132年度工事を少しでも早め、合併特例債期限内であるH31年度内完工へ限りなく近づける事はできないのか、これから当局に提言してまいりたいと思います。

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