秋祭り(八幡神社の太鼓祭り)
小豆島の祭りは瀬戸内沿岸に広く分布する、ふとん太鼓という舁山(かきやま)形式の太鼓祭りで、発祥は江戸中期頃とも言われるが定かでありません。小豆島にある福田、四海、土庄、内海、富岡、池田、豊島の八幡神社で太鼓台を舁き、様々な舁き方で演技をし奉納します。郡内の氏子地区によって、またさらに氏子地区内の各部落(以下この単語が時々出ますが、被差別部落という意味は全くありません)ごとにも流儀が微妙に異なり、皆はそれぞれ自分の町やその所属する部落の舁き方、そしてその太鼓台が一番だと信じ、誇りを持っています。もちろんひのひのは、自分の生まれ育った内海の「はちまんさん」の祭りが最高で、それも草壁の太鼓台が一番好きであることはいうまでもありません。
残念ながら本年ひのひのは、「忌み」がかかっており、自身は参加出来ませんでしたが、それゆえ普通なら絶対に観覧できない、富岡八幡の祭り(内海八幡祭と同じ10月15日に開催)を観ることができました。
是非、皆さんもこの時期小豆島を一度訪れて御観覧ください。楽しいこと請け合いです。
内海八幡神社祭礼
内海の「はちまんさん」は、後述する池田、土庄の様な桟敷を持たず、また馬場も中央にある数本の松と道路に分断されており、非常に狭隘なスペースでの演技を強いられます。にもかかわらず、太鼓台はむしろ他地区より大型のものが多く、より統御された舁き方が要求されます。
内海の太鼓台の特徴は、返し(覆し)・放り・しゃしゃげ(差し上げ)等を組み合わせ、多彩な演技で練り歩くことでしょう。また舁き手の衣装は、どの部落とも白一色の太鼓襦袢に黒帯であり、他との識別は鉢巻きと舁いている太鼓台そのものといったところでしょうか。しかしながら、全てが白の太鼓襦袢というのは意外と派手で、色とりどりのはっぴを着た他の地区の太鼓より、むしろ華やかだと感じるのですが、これはまあ身びいきというものでしょうか。
草壁の大太鼓 馬木の大太鼓
ひのひのは超弩級戦艦のような草壁の大太鼓 舁き手はもちろんとして、自身も飛び上がって
(おおだいこ)が大好きですが、人によっては 指図する指揮の人の熱気にも御注目ください。
軽快な小太鼓を好む舁き手もいます。 大太鼓の乗り子は大抵小学5・6年年生です。
苗羽(のうま)の大太鼓 万歳三唱
内海の太鼓は、出店(屋台)の軒先ぎりぎりでの 玉串を奉奠後、舁き手全員で万歳を三唱し
演技が当たり前のように見られます。 乗り子が太鼓を一斉に連打し、祭りは終わります。
左右とも草壁の小太鼓
実は我が草壁の太鼓には、隠れた美点があります。例年、奉納を終えての
帰路に町立内海病院に立ち寄り、その玄関先で小太鼓の演技を披露します。
長期入院中の患者さんやお年寄り達は、舁き手が最後の力を振り絞っての
演技に拍手を贈り、一時の祭りを楽しみます。