『Q&Aのコーナー』

※以下の文章は,2003年度塾生募集広告に掲載したものです。今後も,いろいろな「疑問」に答えていきたいと思っています。

○なぜ「中元・歳暮」等を拒否するのか?  

  純粋な「お礼」を否定する訳ではありませんが,在塾時に行う「贈り物」には「特別待遇」の要望を否定しきれません。そこには昨今報道される贈収賄の心理と似たところがあります。一方で事件を非難しながら,他方で「似た行為」をすることは当然するべきでもないし,できるはずもありません。卒塾生が就職し,「自分のお金」でお土産やビデオや置物を持ってくることまで拒否はしていません。もっとも,「しないように」言いますが。

○なぜ合宿をするのか?

 各学校で「合宿」が導入される以前から,私たちは夏期合宿を行ってきました。(もう22年間行っています。)しかも「用意されたもの」でなく,食事・洗濯・掃除すべてを自分たちで行い,スポーツをし,草抜きボランティアをし,その中で学習するというスタイルを基本的に守ってきました。まさに,生活こそが学習だからです。そして,暑い中,汗を流しながら,人のために働き,後輩の面倒をよく見た諸君がほぼ例外なく,その後の学習でも大きな進歩を果たす姿を見てきました。たくさんの塾出身の大学生や社会人に出会え,語れる時でもあります。

○塾の倫理性について―プライバシー無視や誇大広告をやめよう!

 カラフルな「顔写真付きの広告」や「抽象的な誇大広告」が溢れています。また,「テストを受けただけ」の「合格実績」や極めて短期間の(中にはほとんど通塾しなかった人でも)「合格者」になるような「実績」がひしめいています。それは,塾に対する「世間的見方」を強化し,塾の価値を貶めることはあっても,決してその逆ではありません。更には,何より子供たちの塾を見る眼をも曇らせてしまいます。私たちは,(それこそ他の「教育機関」より)はるかに潔癖で,『本当のあるべき姿勢』を目指すものでなければなりません。少なくとも塾だけは,とならなければ,『塾の存在意義』はありません。

○なぜ「安い」のか?  ☆「営利事業」としての塾経営の放棄☆  

 運営費については,設備を整え維持できるのに最低限必要な額に抑えてきました。「塾は金儲け」なる誹謗を排除するためでもあります。私たちが抑制することで,地域の「価格高騰」を防ぐ働きもあるでしょう。なぜなら,「高いから高級」では決してないからです。そしてまた,何より,『お金よりも大切なもの』を意図しているからです。

○「実績」を強調しないのは?  ☆「価値観」の転換を☆


 「成績」が良くても,進学状況が優れていても,そのことをもって「実績」とは考えないからです。(塾内では,「成績」という言葉そのものも追放しています。)それは,単なる「結果」あるいは経過に過ぎません。例えば,新中1の英語は『世界的な視野を身につけ,世界の平和と歴史に貢献する』という目的の確認から始めます。塾生諸君が将来,「自己の楽しみだけを追う」のでなく,そのような『存在である』ことを期待しているのです。私たちは,子どもたちにどのような未来を託すのか,『本当のあるべき姿勢』は何か,そこに視点と立脚点を置いているのです。

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