質問に答えて

【2003年5月23日】久しぶりの更新です!

中学生の「みんなのひろば」での質問です。

『理科1下P86に書いてあるはく検電器について質問します。指をつけた後に、その指をはなすと、はくが開いたんですがなぜでしょうか。授業でやったんですが理由がさっぱりわかりません。』

実は,今の課程では「電子」の勉強をしません。電子はマイナスの電気を帯びていて,いろいろ重要な働きをします。とりあえず,「マイナスの電気を帯びている」「つぶ」だと考えましょう。そのつぶは,あちこち動くんです。そいつがたくさんたまったら,全体としてマイナスの電気を帯びていることになりますね。(もともと電気的に中性のとき)そいつがどこかへ移動したら,プラスの電気を帯びることになりますね。(0(ゼロ)からマイナスを引くと,プラスになるよね!)それから,マイナスはプラスに引かれます。(この「つぶ」は異性が好きなのよね!同性はキライらしい!人間の中には・・・な人もいるけど,ね。)

p86の図を左から@・A・Bとしますね。

@電気的には中性だから,はくは開きません。

Aマイナスの電気を帯びたもの(マイナスに「帯電」したもの)をつけると(近づけただけでも開きますね!),「つぶ」が移動します。同性はキライだから,遠くへ遠くへと・・・そうすると「はく」にはマイナスの電気がたまります。同性どうしは反発しますから,はくは開きますね。(はくは「マイナス」がたくさんある状態。このとき,金属板からもマイナスのつぶは逃げていますから,金属板はプラスの電気を帯びています。)

Bそこに指をつけると,「つぶ」は,「こりゃあ,よい逃げ道ができた」と言って(言わないか),一瞬で逃げていきますから,「マイナスがたくさんある状態から,もとにかえりますから,はくは閉じます。(これも「放電」です。いわゆる「アース」ですね。金属板のプラスは,そのまま。)

※と,ここまでが,教科書の理解です。

でも,「その次」をやってしまったんですね。困りましたね!

マイナスの「つぶ」は,人間の指の方へ流れていってしまいました。金属板はプラスに帯電しています。そうすると,「はく」の「マイナスのつぶ」は金属板の方へ少し移動しますから,「はく」は「プラスの電気を帯びている」んですね。ですから,やはり同性どうしが反発して,はくは開きます。ただ,これは上のAの場合よりは開きは小さいはずです。(金属板のプラスの「電気」(これは「つぶ」ではない)が少し移動したと考えてもいいです。)それを閉じるには?そう,もう一度指をふれればよいのです。(そうすると,今度は指の方からマイナスのつぶが移動して,はくは中性になります。)

【注意1】ただし,Aのとき,強いマイナスの電気を帯びているものをつけると,検電器全体がマイナスに帯電してしまいます。このときは,「ぼう」をのけても,「はく」は開いたままになります。そこに指をつけると,もちろん閉じますが,そのあと指をのけたときは,開かないはずです。教科書のAの図は「金属板」にもマイナスがありますから,この場合かも分かりません。

【注意2】指をつけるとき,「ぼう」をつけたまま(あるいは近づけたまま)で,指をつけたのかどうかも問題です。

※この説明は,実験をどのようにやったか,によって変わる可能性があります。

【2001年1月7日】

中3のある人から次のようなメールをもらいました。


『理科の基本的なことで少し質問があります。電流の回路のことなのですが、つなぎ方によって電流や電圧の値が変わるのは、どうしてなのですか?覚えればいいのですが、なんだか分かりにくくてごちゃごちゃになってしまいます。根本的なところが分かれば覚えやすいのではないかと思い、質問してみました。』


電流の分野は,「入試必出」ですし,中2にとってもこれから大事ですし,診断テの範囲にもなっています。基本的なことを確認しておきましょう。


◎基本的な考え方(イメージ)
 ○電流の流れを「電気君」という(架空の)「粒」のようなものと考える。
 ○電気君は,+から−への一方通行。途中で消滅しない。
 ○電気君の通り道が回路です。電気君が通るのを邪魔するのが「抵抗」ですね。(例えば,   
  豆電球も一つの抵抗です。電気君は抵抗を通るとき,(邪魔するものとぶつかり押し合
  い,「熱い熱い」と言って(言うか?),熱を出します。熱は光の兄弟です!)
 ○「電圧」は電気君を押し出す力だと考えましょう。


◎基本回路について
 ○直列回路…電気君の通り道が1本。通り道が1本しかないのですから,通っている電気君の人数(じゃなかった)量は同じですね。(『直列は電流同じ!』ですね)また,抵抗A君の後ろでB君がひかえているので,抵抗する力はAとBの抵抗力を合わせたものになりますね。(『直列は抵抗が和』)もちろん,電圧は,電気君に抵抗を通させる圧力ですから,直列回路では,一つ一つの抵抗を越えるのに力がいりますね。(『直列は電圧が和』
 ○並列回路…電気君の通り道が複数ある。電気君は,「分かれ道」に来ると,どちらにも行けますが,今度合流するときは,(電気君は消えないので)また同じ量になりますね。(つまり,『並列は電流が和』です。)ところで,「分かれ道」で,電気君はどっちの道に行くでしょう?そら,ガタガタ道より舗装道路の方がいいですよね。ガタガタ道が「抵抗の大きい」道,舗装道路が「抵抗の小さい道」です。つまり,抵抗の小さいほうに,たくさんの電気君は行くのですね!でも,どっちにしても(ガタガタ道でも)道は道ですから,今まで(道が1本のとき)よりはたくさんの電気君が通れますね。つまり,並列回路では,1本の抵抗をつないでいたときより,必ずたくさんの電流が流れるということです。で,並列回路ではここが一番難しいのですが,例えば,(テキスト2部[1]の豆電球の回路で言えば)QからPに電気君を運ぶための力が3ボルトだとすると,その力は,CやDにかかる力と同じだということです。だって,Cが1個だけつながっていても3ボルトでしょ。CとDが並列でつながると,それは,Cと同じ道が2本できたことになりますから,それぞれの道の「通りにくさ」は同じですよね。つまりC1個のときより,QP間では2倍の電気君が通れる(逆にいえば,QP間の抵抗が半分になった)ことになりますし,Cにかかる電圧もDにかかる電圧もQP間の電圧も同じ3ボルトです!(『並列は電圧同じ』


さて,これで,基本的なことは話しました。これをもとにして,問題に当たってみて下さい。で,具体的に「この問題」と言ってくれればいいんですが…。