真・夕美エンディング

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

真・夕美エンディング
 「冬の散歩道」
(エンディング3の後)


冬の散歩道。
たしか昔の曲に、そんなのがあったな。
加奈は、サーモン&ガーゴイルの曲が好きだった。
その冬も、終わりを告げようとしている。

あれから、もう半年が経つのか…。
随分と長い間、迷路の中をさまよっていたものだ。

4月からは、大学に復学する。
こうして、リハビリと称して毎日ぶらぶらと散歩していられるのも、あと僅かだろう。
傍らには夕美がいる。夕美は休学しているそうだ。俺なんかのために。

隆道「夕美、心配かけたな」
夕美「まったくよ。もう、本当に大変だったんだから。」
隆道「夕美、あのな………、ありがとう。」
夕美「本当にそう思ってるなら、早く元気になる。ね?」
隆道「俺はもう大丈夫だよ。」
夕美「ううん、大丈夫じゃないよ。まだ元通りになってない。だって以前より優しいもの。」
隆道「そうか?」
夕美「そうよ。」

どちらからともなく、二人で笑った。
心の底から笑うのは、何年ぶりのことだろうか。
暖かい風が春の到来を告げていた。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

mimina@niji.or.jp