それは、今より約100年も前のこと





明冶の世に生まれた一人の男
誰しも持つであろう
立身出世の念を持ち
かの地へと降り立つ



〜帝都・東京〜



煙たなびく蒸気の科学と
海より来たりし異国の薫り
されど古よりの姿をも持つこの街に
不可思議な感覚を覚える中



彼は一人の「花」と遭う



後で思えば
それは春の花が咲き誇る中で見た
幻だったのかもしれないが・・・



「花」は彼にこう告げる



「貴方の目の前に見えているこの街は
平和に満ち溢れた姿に見えるでしょう。

でも、本当はそうではないのです。
この街は古よりこの地に巣食う魔の姿に脅えています。

お願いです。
真の平和を得る為に。

貴方の手に持つ剣を
貴方の中に眠る未知の力を

私たちに貸して下さい。

そして共に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




「花」の願い

それは生きとし生ける全てのものの平穏な眠り
心穏やかな時の流れ


彼は決してそれを成し得る自身があった訳ではない



されど
彼はこう言葉を返した。




「ああ、共に戦おう。さくらくん。」




彼の大いなる長い戦いの舞台の始まりである。




「サクラ大戦」



それは、仮想世界・太正という時の中を生きた
彼・大神一郎の物語である。