お古カメラ

 

 

「NIKKOR-H・C」


今回はレンズである

ニッコールと言えば世界のニコンである。そのニコンのライカマウントレンズである。

ライカ用と言っても、実際にはニッカと言う優秀なライカコピーカメラの標準レンズと

して販売された物だ。手許に資料が見当たらず不明だが恐らく1950年代頃の発売か。

小生が中学生の時の担任であり天文部の顧問をお願いしていたS先生がこのレンズのつ

いたニッカで修学旅行のスナップを撮ってくれた。モノクロでプリントされた本栖湖の

写真はいったいどこへしまったであろうか。あのコントラストの強い鮮明な画像はいま

だにタラウマァの様に小生の頭のどこかに貼りついている。そのせいか、なじみのカメ

ラ屋の棚の片隅にジャンク的扱いで置かれていたこのレンズを見た瞬間にそれを指差し

店員を呼んでいた。「NIKKOR-H・C 50mm F2.0」 Hはレンズが9枚で構成されて

Cはコーティングしてあるよ、ぐらいの意味だろうか。この50mmのレンズは他に1.4

が出されていて、陰がうすいが、なかなかにシャープな写りをする優秀なレンズである。

1.4などと同様ピントリングは通常の3.3フィートからさらに、若干のクリック感の後、

ギュインと1.5フィートまで回る。もちろんライカなどの距離計には連動はしないで目測

での撮影になる。このレンズを愛用した人はたくさんいたであろうが、そのうちの一体

何人の人がこのレンズを使って目測で接写をしたであろうか。それでも多くの愛用者は

「いざ」と言う時は寄れると内心心強く思いながら愛用したにちがいない。この固体は

フィルターネジ周りは相当な当たりがありボコボコであり、またインフのストッパーネ

ジはすっ飛んでしまっているが、レンズ本体はダメージを受けていないと直感した。カメ

ラ本体は言わずと知れたライカM2で、これも、軍艦部に凹みがある訳ありの格安品であ

ったが、これで相応しい相棒にやっと巡り合えたと言うところか、、、、、、、、、、


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