ドイツのカメラ ロードマット
今でこそ世界に誇るカメラ王国はこの日本ではあるけれど、一昔前はやはり
ドイツであろう。昔のライカ、フォクトレンデルなどが有名であるが、まだ
まだ知られていないメーカーがあるのだろう。これもその一つ、レイドルフ
である。噂ではライカの下請けであったかと言う話もあるが定かでは無い。
このロードマットは左右対称の背の低い良い顔をしてカメラ屋の中古コーナ
ーのガラス向こうからこちらを見ていた。このカメラ本体もなかなかに珍し
いカメラではあったが、その横にレンズが 3本ついているではないか。この
交換レンズは、カメラを持っていなくてもレンズを見たら買っておけ!と言
う類いの物で、なかなかお目にかかる事は出来ない代物である。レンズシャ
ッター式レンズ交換カメラのカテゴリーに分類されるが、レンズそのものは
全群交換で、シャッターはボデー側につけられている。そのマウントは独特
のもので、他に互換性のあるものは勿論無い。実はこのセットはファインダ
ーの距離系の狂い、90mmレンズのピントリング焼き付き、と言った到底即
戦力と言ったものでは無かったが、これを見逃す手は無いと判断し即ゲット。
90mmレンズ使用不能を話のネタにディスカウントを迫り、200万画素の普
及型デジカメ程の価格で我が家に見受けされた。シャハトトラベナー35/3.5
ロードナー50/2.8、シャハトトラベナー90/4、同135/4.0の交換レンズ群
は、大変優秀な写りのするレンズ達である。小振りでピカピカ光り、そして
ズシリと重い。しかしこの90mmだけは、修理屋の親爺にも相談したがピント
リングが焼き付いて、いかんともしがたいが贅沢な天眼鏡としては使え、老眼
の進度著しい小生には嬉しいプレゼントでもある。いや、インフで固まってい
るから遠景専用レンズとしては使える。早速本体の距離計調整にだし、3週間
後に手元に来た。写りは素晴らしい。1954年に作られたカメラではあるが、
既に完成している。この35mmは特に重宝しそうである。ファインダーは外付
けの昔のニッカのユニバーサルを付けると顔つきもググッと精悍になり良い。