ベッサLというカメラ
フォクトレンダーというカメラメーカーのことは以前に書いたからここでは
省略するが、そのブランド名の使用許可をもらって日本の長野にある大カメ
ラメーカー「コシナ」が作ったカメラである。コシナというメーカーはカメ
ラ業界では大変にマイナーなメーカーではあるが、実はOEMによって国内の
ほとんどのカメラメーカーに製品を供給しているのだ。さらに、CD等のデー
タを読み取る小さなレンズの製造ではトップメーカーではなかったか。その
マイナーで大メーカーのコシナがフォクトレンダーブランドで発売したカメ
ラがこれ「ベッサ L」である。このカメラにはファインダーが無い。これは
その昔、ドイツのライカから学術用等に使われる特種カメラの I シリーズと
いうのがあった。確かここにも 1c というのがあったはずだが、なにかの拍
子に手放したのは良いが、再度欲しくなった時には大変な高値になって手が
出せなかった記憶がある。その代用といっては何ではあるが、これを手に入
れた。先にアップした「ベッサ II」とはそのカメラの成り立ちはまったくの
別物ではあるがこれの美点はライカのレンズや付属品がほとんどそのまま使
える事にある。写真はライカの旧いエルマー3.5cmに35mm用ファインダー
を装着してある。この仕様で随分とモノクロでのスナップを撮ったものであ
った。このカメラボディーはある事情で大変に安価で発売された。その価格
は既に記憶に無いが、少なくとも装着してある外付けファインダーより遥か
に遥かに安かったのは事実である。そのシャッター音はガチャガチャと品格
にかけるが、露出計もついていて実用度はライカに勝る。何よりもその安価
さで惜し気も無くあちこちにぶつけても平気なのが精神的に良いと言える。