またもやロシアカメラ
ロシアカメラには実にユニークな玩具のようなカメラもたくさんあるが
ドイツのライカを真似て作ったレンジファインダーレンズ交換式カメラ
も沢山ある。その代表がゾルキーとこのフェドではないだろうか。フェ
ドは世界で最初のライカコピー機といわれて旧ソ連時代から作り続けら
れてきたカメラである。そのシリーズは1930年代の I型から1990年代
中頃まで生産されたという5cまで沢山のバリエーションがあり、特に戦
前モデルは作りがしっかりしているといわれている。これはタイプ3で
ブラックボディーに白文字で FED3と書かれなかなかに精悍な風貌では
ある。シャッタースピードはバルブから1/500まで。レバー巻き上げで
はあるが巻き戻しはクランク式ではない。セルフタイマーも付いている
し、何よりも素晴らしいのはファインダーに視度調整機構が付いている
事である。ずっしりと重みのあるボディーはなかなかに頼もしく、最近
のプラスティックカメラには無い存在感が漂う。装着レンズは「ルサー
ル」という20mmの超広角レンズで距離計には連動しないが F8に絞っ
て1.3mに設定しておくと手前70cmから無限までパンフォーカスとなる
から連動なんて不要であろう。このレンズはその昔、ファインダー付き
でおおよそ10万程したように記憶しているが、その後ロシアカメラブー
ム到来で沢山日本に輸入され一時はその半値以下で流通していたことも
あったが最近はとんと見なくなってしまった。道路向こうのビルがギュ
ーンと後ろにそっくり帰って写るレンズである。最近のように15mmや
12mmの超広角レンズがコンピューターで設計されプラスティックで整
形製造され安価で売り出されるずっと昔のカメラやレンズの話である。