エストニア、リトアニア、ラトビアの所謂バルト三国は悲劇の国である。
1939年にソ連に占領され、41年にはドイツに、そしてまたソ連にと、繰
返し繰り返し侵攻された屈辱の歴史を持っている。このちっちゃなスパイ
カメラと言われるミノックスは元々この悲劇の国ラトビアで 1938年に生
まれた。ソ連もドイツもこのミノックスカメラを欲しかったがために侵攻
を繰返したと見るのは、これは歴史の定説を覆す新しい史観ではある。こ
の B型は全国展開の勢いやまない高知発の某キタ○ラカメラの中古ショー
ケースの中で発見され、流通相場の1/3ほどで我が家に引き取られた。元
々この手のカメラには手を出すまいと誓ってはいたが、なんともはや1/3
である。ほとんど実用の用には供さないであろうことは明らかではあった
が、あってもいいかと思える価格であった。B型は文献によると小生が10
才になる1958年に発売された、最初の露出計内蔵モデルである。僅か8X
11mmのちっちゃな画面に精密な画像を結ぶレンズは僅か直径 5mm足ら
ずのコンプランと言う名レンズである。プラスチック等の新素材の重量感
覚に慣れた手にはその大きさに比してズシリと感じるこのカメラをカバン
に入れておくだけで、周囲にCIAが潜んでいるような気持ちになってくる
からおかしなものである。大きさの比較のためにハイライトを置いてみた
がこのカメラの価格はハイライト20日分程である。禁煙2年ももうすぐだ