お古カメラ

 

 

「ペンタックスども」


ペンタックス。この名前を聞く度に心の中に懐かしさがこみあげる。テレビコマーシャルで

「ペンタックス、ペンタックス」と連呼するあの有名なCMはまだ、恐らくモノクロームの

テレビ画面ではなかったかと思うが、さだかではない。しかし、ビートルズが来日してペン

タックスSVをお土産に買って帰ったと言う話はすでに逸話になっているから、やはりまだ

テレビはカラーになる以前のことであったか。この右側のESは時代をずっと下がった 1

973年の発売である。1971年に発売された世界初の絞り優先式AE一眼レフのペンタックス

ESに、セルフタイマーを加え、スローシャッターを 1秒から8秒へ長くし、アイピースシャ

ッターを加えるなどの改良版であった。所謂世界共通マウントの伝統のペンタックススクリ

ューマウント( M42 )最後の高級機である。その左にある小振りのカメラは、あのオリン

パスが1972年に世界最小サイズでデビューしたOM-1に負けじと1976年に発売した小型軽

量一眼レフペンタックス MEである。既にマウントは所謂 Kマウントと呼ばれるバヨネット

になっている。この MEはシャッターが壊れて机の上のオブジェと化しているが、またその

うち修理に出そうと考えている。しかし、実際は買った方が安くつくかもしれないと思案中

である。ESの方は、メーターはゆるゆるしているものの、まだ健在である。この2機種

は様々なレンズのベッドとして便利であったが、今はその役割をアルパやEOSにバトンタ

ッチしている。ペンタックスはもちろん、フジノンや、ロシア製レンズ等をとっかえひっ替

えして遊ぶには良いカメラであった。このボディーに初期の大きなズームレンズ 70-150m

m等をつけようものなら、まだカメラが「耐久消費材」であったころの良き雰囲気が漂う。

そういえば、父が定年で教職を辞した記念にその退職金の一部でやっと買ったカメラがペン

タックスSPではなかったか。当時一眼レフカメラを買うなどと言う行為は今の車を購入す

るよりも大変な事であった。あのSPは後、兄が相続したがはたしてどうなったことやら。



「お古カメラな日々」トップへ
表紙へ