アルパと言うカメラ
今回は「アルパにだけは手を出さないでおこうと決めていた」と言うフレーズで紹介が
始まるのを常とするアルパと言うカメラである。なじみのお店でカウンター越しにお兄
さんと話している小生の目は、彼の後ろの棚にある山高帽をかぶったようなカメラに釘
づけになっていた。小生の視線の先をいち早く勘付いた彼は、「困ったもんを引き取り
ましてね」と苦笑いのポーズ。以下小生=H、彼=Kの会話。H 「どうするつもりなの?」
K「オーバーホールに出そうかとも思うんですが、、、」H 「高くなるでしょうね」
K「そうなんですよ」H「動くの?」K「いまんところ写ります」H「じゃぁそのまま出せ
ば?」K「その方がいいですかね」H「いいよね」K「これ幾らぐらいなら買います?」
H「相場調べた?」K「ええ」H「で?」K「相場ってわけにもいきませんから」と言った
会話が続くこと約20分、、HとKはある種の密約を交わして格安で小生が引き取ることに
なった。その密約とは「故障をしても修理は受け付けない、そのかわり、動かなくなった
り、飽きたりの理由を問わず、期限も問わず、不要になったらお店に持ち込む。店は今回
の購入価格でいつでも引き取る」と言うものである。それには、このカメラは非常に壊れ
やすく、またその修理代たるや十数万円かかるかも、、、と言った背景があるのである。
そんなわけでこのアルパと言うカメラは我が家へやってきた。惜しむらくは、このカメラ
の存在を一躍有名にした「マクロスィター」と言うレンズが装着されていず、シュナイダ
ーのキセノンが付いていたことである。もちろんキセノンも捨てがたいレンズではあるが
これからアンジェニューだのスィターだのとレンズを求めて 3000里の旅が始まるのであ
ろうか。一眼レフでありながらレンジファインダーを合わせ持つ変わり種のアルパと言う
カメラはスイスはピニオン社の製品。アルネア7型、今のところはまだ壊れず動いている