サニーDコンサートカスタム


2003.3.2

 サニーDが、ついに我が家にやってきた。いや、事を正確に記すなら、それ

は事務所までやってきたのであって、まだ我が家には到着はしばらくしそうに

ないのではあるが、、とにかくあの憧れのサニーなのである。おもむろにケー

スから出してみる。コアの甘い香りと共に、ボディー全体を包む美しいトラ目

が目に飛び込んできた。正直言って、このベルシェイプとか言われているボデ

ィースタイルは好きではない。が、早速、すべてのウクレレ奏者がするように

小生もまず、これが本物のサニーかどうか、厳しくチェックをし始めなければ

ならない。ん??おかしい!?当然あるはずのボディーとネックの継ぎ目の隙

間がない!^^;指板とトップ板との間にも名刺一枚差し込む隙もない^^;

 こんなはずではないのである。各フレットもきっちりと平行に打ち込まれて

おり、音程もしっかりしている^^; ボディーのそこかしこに鉛筆で書かれ

た製作者サニーの筆跡と思われるものも見当たらない^^; こんなはずでは

なかった、全身から汗が噴き始める。眼鏡をはずしてしっかりとチェックを続

ける。あったあった!フレットが指板の端っこまで打ち込まれていない。指板

のドットも格好が悪いくらいに大きい。さらにホールから中を覗き込むと、あ

るある^^;接着剤の盛り上がりを発見!算木が途中で途切れている^^ そ

して、決定打は、ヘッドの4つのペグの取り付けがお約束通り歪んで左右対称

になっていない。これぞ!まごう事なき本物のサニーに違いないと確信する。

さらに目を凝らすと、AKIOさんの仕事であろう指板とトップ板の間にあっ

たはずの隙間を丁寧に埋めてあるのも確認できる。ボデーのセンターもお約束

通り狂っている。さらによく観察するとヘッドの形状そのものが歪んでいるの

を見てとれる。どうみてもこれは酔っ払いの仕事であろう。ここまできて安心

した。これぞあの憧れのサニーDコンサートカスタムである! そっと弾いて

みる。軽やかで明るい、鈴を転がしたような音色。まさにこれが多くのアーテ

ィストをとらえてはなさないサニーDの音色であるのか。サウンドホールの内

縁などは良く見るとがさがさに傷ついていたりするのもサニーDなら許せるも

のである。もし、カマカが、そのボデーシェイプが左右対称でないのは愛嬌と

しても、このような仕上がりなら、クレーム物であろう。しかし、サニーなの

であるから大目に見ることが出来る。 15フレットジョイントの19フレット仕

様であるが、その19フレット目は 18フレット目と比較すると、明らかにその

間隔が狭すぎるのも愛嬌と許してしまえる。決して好きではないそのボディー

スタイルも、実は右腕小脇への収まりが良いのを発見したりする。サニーの後

で、カマカコンサートを弾いてみると、その音色が少しモッサリと聞こえるが

カマカはこれで良いのである。ウクレレにはウクレレの数程の個性があるので

あるから、、写真では分かりにくいが、カマカコンサート(14Fジョイント)

と比較すると、全長はカマカが長く、ボディーもサニーの方が小さいが、ナッ

トからブリッジまでの長さは、1 フレット分サニーが長い。テナースケールで

あろうか? 普段、古いマーチンにアメリカンチューニング用のダダリオをス

タンダードチューニングにして弾いている軟弱な小生の指にはこのテンション

は相当にきつい。しかし相当に派手なこれを人前で弾くのはちと恥ずかしい。



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