サニーDが、ついに我が家にやってきた。いや、事を正確に記すなら、それ
は事務所までやってきたのであって、まだ我が家には到着はしばらくしそうに
ないのではあるが、、とにかくあの憧れのサニーなのである。おもむろにケー
スから出してみる。コアの甘い香りと共に、ボディー全体を包む美しいトラ目
が目に飛び込んできた。正直言って、このベルシェイプとか言われているボデ
ィースタイルは好きではない。が、早速、すべてのウクレレ奏者がするように
小生もまず、これが本物のサニーかどうか、厳しくチェックをし始めなければ
ならない。ん??おかしい!?当然あるはずのボディーとネックの継ぎ目の隙
間がない!^^;指板とトップ板との間にも名刺一枚差し込む隙もない^^;
こんなはずではないのである。各フレットもきっちりと平行に打ち込まれて
おり、音程もしっかりしている^^; ボディーのそこかしこに鉛筆で書かれ
た製作者サニーの筆跡と思われるものも見当たらない^^; こんなはずでは
なかった、全身から汗が噴き始める。眼鏡をはずしてしっかりとチェックを続
ける。あったあった!フレットが指板の端っこまで打ち込まれていない。指板
のドットも格好が悪いくらいに大きい。さらにホールから中を覗き込むと、あ
るある^^;接着剤の盛り上がりを発見!算木が途中で途切れている^^ そ
して、決定打は、ヘッドの4つのペグの取り付けがお約束通り歪んで左右対称
になっていない。これぞ!まごう事なき本物のサニーに違いないと確信する。
さらに目を凝らすと、AKIOさんの仕事であろう指板とトップ板の間にあっ
たはずの隙間を丁寧に埋めてあるのも確認できる。ボデーのセンターもお約束
通り狂っている。さらによく観察するとヘッドの形状そのものが歪んでいるの
を見てとれる。どうみてもこれは酔っ払いの仕事であろう。ここまできて安心
した。これぞあの憧れのサニーDコンサートカスタムである! そっと弾いて
みる。軽やかで明るい、鈴を転がしたような音色。まさにこれが多くのアーテ
ィストをとらえてはなさないサニーDの音色であるのか。サウンドホールの内
縁などは良く見るとがさがさに傷ついていたりするのもサニーDなら許せるも
のである。もし、カマカが、そのボデーシェイプが左右対称でないのは愛嬌と
しても、このような仕上がりなら、クレーム物であろう。しかし、サニーなの
であるから大目に見ることが出来る。 15フレットジョイントの19フレット仕
様であるが、その19フレット目は 18フレット目と比較すると、明らかにその
間隔が狭すぎるのも愛嬌と許してしまえる。決して好きではないそのボディー
スタイルも、実は右腕小脇への収まりが良いのを発見したりする。サニーの後
で、カマカコンサートを弾いてみると、その音色が少しモッサリと聞こえるが
カマカはこれで良いのである。ウクレレにはウクレレの数程の個性があるので
あるから、、写真では分かりにくいが、カマカコンサート(14Fジョイント)
と比較すると、全長はカマカが長く、ボディーもサニーの方が小さいが、ナッ
トからブリッジまでの長さは、1 フレット分サニーが長い。テナースケールで
あろうか? 普段、古いマーチンにアメリカンチューニング用のダダリオをス
タンダードチューニングにして弾いている軟弱な小生の指にはこのテンション
は相当にきつい。しかし相当に派手なこれを人前で弾くのはちと恥ずかしい。