思えば、沖縄全島を 1ヵ月かけてくまなく演奏して周ったのは1972年だっ
たか、もうかれこれ 30年以上も昔のことになる。このことは既にあちらこ
ちらに書き散らしたからもうここでは触れないが、その時に手に入れた蛇味
線で覚えた唄が「県道節」と「うみぬちんぼぅーら」であったが、譜面を紛
失してしまっている。この蛇味線は、10年ほどして乾燥しすぎたのか、錦蛇
の皮が裂けてしまった。色々と工夫もしたが修復は無理で、修理に出すなら
買えるほどの値段だとの話に、ずっとそのままにしてあったが、先日思い立
って、「カンカラ三線」と言う道が残されていたことに気づき、工夫をした
適当なクッキーの缶があったので、目測でとりあえず穴を開け竿を通したの
がご覧のとおりである。音色はとても蛇味線のようなわけにはいかないが、
ドヨンとした素朴な音色がする。これも恐らく、缶のサイズや厚さなどで音
色も変わるのであろうが、またそのうちに適当な缶があれば試してみたいと
思う。とりあえず、これで、20年も眠っていた我が家の蛇味線はカンカラ三
線として蘇ることとなり目出たい事だ。あとはニガ瓜と泡盛があればよい。