ルナ#300

(ヴィンテージでは決してない、ただ古いだけ)


 ルナといえば日本のウクレレとしては草分けの老舗である。しかし、残念ながら

その灯は一度途絶えた。それをフェイマスのキワヤ商会が復活させたブランドで

ある。最近のルナには触ったことはないが、その色合いなどからけっこう若い女

性には人気のようである。この固体はずっと昔の復活以前のオリジナルのルナで

ある。いつ頃の年代の物かなどは知らないが、恐らくは30年以上前の物には違い

ない。小生が、初めてウクレレを手にしたのは、中学生のときで、当時確か1500円

の物だったと記憶している。それ以後幾つかの個体を手にしては、ブリッジが飛ん

だり、踏みつけられたりと、壊れては買い換えて常に1個のウクレレは身近にあっ

た。このルナ#300も、通り過ぎていったそんな中の一つであった。青春の思い出

に一つ手に入れた。フレットなどは錆びてそっくり返り、弦に当ってビビっていたが、

木槌でコンコンとやって調整をした。もちろんベニヤ板製には違いないけれど、コロ

ンコロンと明るいかわいい音がする。この頃のものは、指板のない、フレット直打

ちであった。なんとなくこのスタイルには愛着を感じる。糸巻きはプラスチックなとこ

ろがチープで、なかなかに良い感じである。フレット直打ちの他のウクレレと共に

記念写真に納まっている。右が古い(1960年代?)カマカで、左は出所不明だ。



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