2005.12.12
ウクレレの物欲の世界から解き放たれると心身共に大変楽になる。
こういう状態を先達は「解脱」と称したのであろうが、ウクレレに
趣味の世界ではなく「実用物」としての機能のみを期待するように
なるとそこに開けてくることは、PAを通してちゃんと鳴るかどうか
と、音程が正確であるかどうか、が唯一の物指しとなってくる。つ
まりブランドの底無し沼から無事生還したと言って過言ではないだ
ろう。マーチンのサウンドホールから臭う甘いマホガニーの香りが
どうのとか、サニーDのセンターが狂っているのがたまらないとか
パイナップルはセニーザが一番美しいとか言ったような会話の横を
スルリとかわして通り過ぎる事が出来る自由を獲得したのだ。そう
いったウクレレ修行者の行き着くところにLANIKAIは位置する。テ
ナーサイズのカッタウェイはアクティブなピックアップがついてい
てそのままDIを経由してコンソールに突っ込める。しかもボリュー
ムも付いているからバッキングとリードプレイを切り替える時など
ペタルボリュームを忘れて来ても心強い。この個体はT氏が個人輸入
したものを一度o氏の手を経てほにゃの所に来た。ハワイ現地価格は
僅か249$で、消耗品価格であるから、今までメイン機材としていた
サニーDのように「これが壊れたらどうしよう」等といった脅迫概念
からも解き放たれるのだ。それにしてもあまりに生音が貧相である
とお稽古の意欲に差し支えるので、例の白い弦に張り替えてみた。
出てくるその音はまったくギターのそれと言ってよい。恐らくKAI
では使わないだろうけれど、PoePoeでは充分に実用になる。巷の
噂では大部分のカマカ等ブランド品はハワイ原産国より金満国日本
に在庫されているとのことであるが、だからということもないであ
ろうがハワイのミュージシャンはみんなこれを使っているとのこと
でもあった。結局これも1つのブランド信仰なのかもしれない^^;
我が国でのLANIKAIの普及第一人者は紛れもなくMAT小林氏であろ
う。そう言えば氏からLANIKAIの8弦を借りたのは丁度昨年の今頃か。