以前から少なからず関心を持っていた佐賀野ウクレレが、いろんな経過があって
我が家に送られてきた。仕様はスタンダードサイズにコンサートネックのマホガ
ニー材である。実に軽やかな、明るい音色で最近の国産ビルダーによる作品に共
通したサクサクと気持ち良くストローク出来る個体であり、ソロプレイをすれば
繊細なサスティーンの長い音色が魅力な個体である。指で弾いた時の弦のレスポ
ンスも良い。ピッチも正確で楽器としては素晴らしい個体に違いない。茶井ウク
レレやT's等にも最近触れる機会があったが、共通して言えるのはtop板を薄くす
る事によって音量を稼いでいるように思え、耐久性に若干の不安を感じる。まだ
ライブの舞台に持ち出した事はないが、家で弾いたり、教室時には最近はもっぱ
らこれが一番出番が多い。弾きやすいのだ。何故かと思ったらネックにその秘密
があるように思える。通常ネックはボディー側からヘッド側にいくにつれ幾分そ
の厚さがテーパーしていくのが多いが、このウクレレは先から根元まで同じ厚さ
で薄く作られている。こういった細かいところに様々な佐賀野さんらしい工夫が
施されているのが特徴といえるか。個人的な好みで言えばもう少し低音成分を持
ち上げて音色にふくよかさが加わると恐いもの知らずではある。それにしても、
何時間弾いても弾き疲れしない、大変に魅力的な佐賀野ウクレレであった。是非
縁があればその内コンサートタイプのコア製の物も弄ってみたい衝動にかられる