サニーDのテナー
2008.08.15
またまたサニーDの今度はテナー。サニーDというウクレレをもし研究するとしたら
こんなに面白い対象は無いのではないかと思える程深い。その音色はどれをとっても
サニーDらしい音色で素晴らしいのではあるが、それにしてもボディーの作りの個体
差が大きい。その姿形、完成度が個体によって違いすぎる。作りの雑さはもうすでに
コンサートやパインのところで書いているからここでは触れないが、その形はスタン
ダードにしろコンサートにしろ大体はベルシェイプと呼ばれる形状で、このテナーも
その例に漏れない。ただ、雑誌等で見ていると普通の瓢箪型から最近では吃驚する様
なカッタウェイなども見る事が出来て興味が尽きない。サドルやホールの淵等これも
例に漏れずささくれ立っており仕上げ作業という工程があの工房には皆無と推察出来
る。この個体はヘッドにsonyDのシールが貼ってあるもので、比較的最近の物に違い
ない。しかも、これなどサドルの位置がボディーセンターからずれていてネックに対
して弦が斜めになっている。それでもサニーDらしき音色はするからあなどれない。
最近のハワイもので一番疑問なのはコアロハから始まり、カマカ、挙げ句にサニーD
まで、なぜあのシャーラーか、シャーラーもどきか知らないが、あの使いにくいペグ
なのか、各メーカーが何故あれを採用するのか分からない。正しい使い方を知らない
小生に問題があるのか?旧いタイプのサニーDに付けられていたグローバーは一旦緩
めてからシュッと巻き上げるとピタっとチューニングが決まった。しかしこのシャー
ラーはいけない。ペグに遊びが出て決まらない。そして重い。よほどコストが安いの
か、あるいは営業力があるのか、はたまた裏リベートでも飛び交っているか、そこい
らへんは小生の知る由もないが、いずれにせよ、サニーDを買う時はボディーのリペ
ア費用とペグの交換費用を投下コストとして最初から計算しておかなければならぬ。