触れなば落ちんマーチン#1


2002.12.01

 以前のマーチンは#0であるが、これは#1である。何が違うのかって

聞かれても大した違いはなくて、ネックの指板の印の7フレット目と、あ

とはボディーの周囲に若干飾りがあると言った具合なだけである。そんな

ことよりも、これもどうやら1930年代の物ではあるらしいが、なにさま

その朽ち方はすごいものがある。塗装はすでにひび割れ状態で、色もごみ

箱に落ちていたような風合いで、そんなことはまぁどうでもいいのだけれ

ど、大変な事は、最近になってトップの板が剥がれ始めて来ていると言う

一点につきる。ダダリオのゆるゆるの弦を張って、その柔らかく甘い音色

が最近また一番好きになって、門外不出扱いを解き、あちこち野外やステ

ージやと、引っ張りまわしたのが原因かと思われる。サウンドホールに鼻

を近付けて匂いを嗅ぐと、みんな「甘い匂い!」「懐かしい!」「子供の

頃の学校の匂い!」と言う。これが世に言うマホガニーの匂いらしいが、

そんなことより、そろそろリペアに出さなくてはならなくなってしまった。

<03.5.11加筆:この個体は前述の様に、トップ板剥がれ、ブリッジ剥がれ

の症状が広がり始めたので、神戸は灘区のアコースティックハーモニーに

リペアをお願いし、先般無事生還したところである。



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