|
聴いた演奏
1970年上智大学グリークラブ
1989年筑波大学メンネルコール
1990年電気通信大学グリークラブ
1992年愛知教育大学男声合唱団
2001年男声合唱団「風」 |
1.指揮 檜山 哲哉
2.指揮 北村 協一
|
長年様々な男声合唱団を聴いて来て感じた事ですが、学生指揮者の中には独自の感性と表現力で作品を捉えて演奏する事により、
えもいわれぬ情感を醸し出して感動を与えてくれる人物が度々登場します。
ここで1位に推薦する筑波大学メンネルコールの演奏を指揮した檜山氏もそんな学生指揮者の一人。
彼が指揮したのはこれと「わがふるき日のうた」の2ステージだけですが、どちらも大変感銘を受けました。
この演奏の魅力は「言葉を生かす表現」という事でしょうか。多田氏の処理法とは違いますが、
なかなか詩の情感を生かした旋律表現がなされています。なかでも、終曲「紀の国」で港の様子を2回繰り返して歌う部分において、
2回目のテンポを上げて歌う事により、(詩にはかかれていないが)おそらく港が近づいて様子が判るようになるにつれて、
はやる心を押さえ切れない詩人の心情を表現しているようで、大変趣を感じます。
こうした独特の表現が全曲になんともいえぬ味わい深い雰囲気を与えているのが魅力です。
2位とした上智大学グリークラブの方は、ダイナミックな表現が魅力ですが、 一語一語をハッキリ歌おうとしたためか、一音一音ブツブツ切れてしまい言葉として聞こえないのが不満。
少人数ながら感動的な演奏を聴かせてくれていた愛知教育大学男声合唱団でしたが、この年は音程が甘く、
特に前半は旋律の不安定さが気になりました。電気通信大学はなかなか惹かれる所もあるのですが、
地声なのでしょうか?どうも高い響きが乏しいため、速いテンポになると旋律がバラけてしまう傾向があります。
ちなみに私の所有する音源の内、この電気通信大学の演奏だけは終曲「紀の国」の最後のテナーソロが、
楽譜に「可能ならばこの旋律で歌ってもよい」と但し書きがある高い旋律で歌われています。
男声合唱団「風」は発声が充実している団体ですが、改めて聞いてみると母音の処理に問題があるようで、
全体に仕上がり不足と感じられました。
| 作品一覧へ | |
| 資料室のトップへ | |
| トップページへ |