関西遠征日記2003年10月



週末を利用し、久しぶりに関西まで遠征してきました。

今回の目的は創生園、フラワーキャニオン、兵庫フラワーセンターを巡ることでした。

10/18(土)
早朝の新幹線に飛び乗り、大阪へ向かい、最初に行ったのが創生園(*1)でした。
ここの特色はセントの豊富な品種数とゲスネリア!セントの温室、シンニンギアなどの温室、
キリタなどの温室と見たいところが3棟もあるから大変!
特にセントは棚にずらりと並んだ苗をまさに「片っ端からチェック!」、リストに掲載されて
いない品種もあるので大変です。それに新しい品種だけでなく「懐かしい!珍しい!品種」も
有り、まさに宝庫でした。結局、リストに載っていたリリアンジャレットやラプソディー・
コルネリアなどなど古い品種を中心にセレクトしてしまいました。(笑)
 
セントポーリアの温室                 シンニンギアの温室
続いてミニチュアシンニンギア、キリタもそれぞれチェック!普段は購入する機会が少ない
だけにゲスネリア(コルムネア、エスキナンサス、ユーコドニア、エピスシアなどなど)も
目が離せない貴重な生産者です。

 
シンニンギア マウロズサン         キリタ アイコ
  
キリタ ニューヨーク      キリタ シネンサス          キリタ ユキダルマ
  
エスキナンサス ビッグアップル        ペトロコスメア フラシッダ        ペトロコスメア No.10
  
ディアステマ ペクサンス  ユーコドニア ベルティシラーチ エレンベルギー
坂上さんによれば今年は9月以降の暑さに傷んだ株や苗が多く、毎年の事ながら夏対策が課題
との事でしたが、これからは回復するスピードも上がり、成長が楽しみです。

その後、宝塚線山本駅近くのあいあいパーク(地元生産者の共同出資による園芸店)に寄り、
新種のエリシネ、シンゴニウム、1m近くあるボストンタマシダを破格の値段でゲットしました。
また、ここで「世界最小」のバラも販売されていましたが、一鉢3,500円とちょっと高く、
購入はあきらめました。(^^;
(セントになら3,500円は払うのに他の植物にはついつい財布のヒモが固くなってしまい
ました。)

そして次に向かったのがフラワーキャニオン(*2)でした。ここでも久しぶりにお会いした
大重さんや門田君に歓迎していただき、楽しく会話をしながらも棚を隅から隅までチェック!。
失くしてしまった原種や新種を買い求めました。

ここでの楽しみは最新種を見る事ができる事です。毎年、多くの品種が導入されていますので、
その中から実際に花を見る事ができるのは非常に楽しい事です。また、今年は春に行く予定にして
いたAVSA大会を直前でキャンセルしたため、ほとんど新規に株を購入していなかった為、色々な
品種に目移りしながらも何とか品定めを終了しました。

 

  

 


ホテルへ着いた時には夜遊びに出る元気も無くなるほど、あっという間に終わった1日でした。

こうした生産者に実際に足を運んで買うことの最大のメリットは選んで買える事です。
特にグリーン花、絞り、縞などは実際に花を確認して買いたいという事も有り、どうしても
欲しい品種、例えばフローズンインタイム(紫の入っていないもの)などはこういう時に買って
きてしまいます。

どちらの温室も通販を行っていますのでリストで欲しい品種を買う事もできますが、実際の株を
見るとこれは我が家で育ちやすそうとか育ち難そうとか、直感の様なものが閃く時もあり、花は
好きでも我が家との相性が悪いと分かれば買わずに我慢なんてこともしばしばあります。
また、同じ環境下での品種による育ちの違いを見る事で特徴を知ったり、あるいはショープランツ
向きの品種を選び出す際の参考になったりもします。その他、全ての花の名前を覚える事は不可能
ですが、多少は頭の中のデータバンクに記録が増えるといったメリットもあります。
時間と距離とお金の問題がありますが、皆さんも一度は足を運ばれたらいかがでしょうか?

10/19(日)
この日は朝7:30に大阪を出発して一路、兵庫県加西市にある兵庫県立フラワーセンター(*3)へ
向かいました。10/18〜26までストレプトカーパス展が開催されているからです。
兵庫フラワーセンターでのゲスネリアの歴史は古く、日本でセントポーリアブームの火付け役と
なった「流行のセントポーリア」(1977年?主婦の友社刊)にもゲスネリア紹介を行っていました
から、少なくても約30年前から育てている事になります。大温室の中にはゲスネリアの常設展示も
あり、セントポーリアの原種の他、ストレプトカーパス、アキメネス、コルムネア、キリタ、グロキ
シニア、シンニンギア、ネマタンサス、エスキナンサスなどなど色々なゲスネリアを見る事ができます。
 また、キリタやストレプトカーパスの世界的に有名な奥藤氏(*4)がこちらに長く勤務されていた
ことも有りストレプトカーパスの交配品種も豊富です。

 
セントポーリアの原種のディスプレイ
 

 


  
キリタ(ベトナム原産)左上にランナーが  アキメネス          アキメネス
見えます。
 
アキメネス
そういった背景も有り、今回は「ストレプトカーパス展」と「即売会」があるため日程を合わせ遠征して
きた訳です。特にここの即売会は有名で朝早くから多くの方が来場され午前中にはほぼ完売となる事を
前回の訪問(2000年春)の際に聞いていましたので、9時の開園と同時に入場し、整理券をもらい
ました。
10時にスタートした即売会は一人5株までと制限つきでスタートしましたが、午前中には用意されて
いたほとんどの株が売りきれてしまう盛況ぶりでした。

私自身は通常のロゼット系の交配種にはあまり興味が無く、むしろ、有茎系(いわゆるストレプト
カーペラ)や一枚葉のものに関心が高かったため、結局、2回並んで有茎系と一枚葉を購入する事が
できました。

その後、展示温室を改めてゆっくりと観察。ここではランナーの出るキリタ(ベトナム原産)や花色
豊富なアキメネス、キリタなどなどをじっくり観察してきました。もちろんセントポーリアの原種も
多く展示されていました。日本だけでなく色々な国の温室を見ていますが、セントの原種が多数、
展示されているのはこことキューガーデン(*5)位でしょう。

昼食を済ませてから今度は「ストレプトカーパス展」を見学しました。
会場にはロゼット系の交配種を中心に色とりどりのストレプトカーパスが展示され、また、ストレプト
カーペラや原種も多く展示されていました。また、兵庫フラワーセンターで交配された新種の名前を
募集するなど楽しい企画も実施されていました。


  
                         ビッグヨーク            ピーターパン レッド
 
新種1                       新種2
  
新種3                   ラズベリーフロスト
ロゼット系のストレプトカーパスはセントには無い花色(黒に近い紫、鮮やかな赤、はっきりした
黄色など)も有り、セントとは違った楽しみがありますが、セントに比べ株が大きくなる、葉先が
傷みやすいなどといった事があり、私は一株も育てていませんが、以前より一枚葉のものは育てて
みたいと思っていましたし、有茎種の中でも小花の咲くものには強く惹かれていましたので今回、
苗を購入できた事は大きな喜びでした。

  
 スパークル                 ブルーベリークリーム     パリディフローラス(原種)
  
ウーサラ                     バレリーナ           バタフライ
  
セチ               ストラマンデス(原種)              トリア
また、今回は約3年ぶりに奥藤氏にお会いできたり、フラワーセンターの方に一枚葉の育て方を伺う
事ができ、今まで以上に有意義な遠征となりました。

兵庫フラワーセンターは東京から行く場合には若干、大変ですが、ゲスネリア好きの方には一度は
訪問していただきたい所です。

  
レクシー(原種)                    ロゼオアルバス(原種)
 
ミケルモレイ(原種)
レクシー

二日間、車を出していただいた友人に感謝!して遠征日記を終わりたいと思います。m(_ _)m

*1 兵庫フラワーセンターのHP
http://www.flower-center.pref.hyogo.jp

*2 創生園のHP
http://www.souseien.jp/

*3 フラワーキャニオンのHP
http://www.flowercanyon.com/

*4 奥藤氏
キリタのアイコ、ヒサコなどの他、ストレプトカーパスの多くの交配家として世界的にも有名な
方です。2003年4月に退職され、現在は赤穂ジェスネリアードを主催されています。
ロゼット、有茎、一枚葉などの詳細についても下記のHPをご覧下さい。
「ジェスネリアードの世界」
http://www.prestige.ne.jp./~poppo-s/

*5 キューガーデン
セントの様子については私のHP内「キューガーデンのセントポーリア」をご覧下さい。
http://www.niji.or.jp/home/susumu/kew/av_kew_garden.html

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