二人が食事を終え、帰るシンジを見送りに駐車場までついて来たアスカの前に
数十人が立ちはだかったのである。
数秒後には数十のフラッシュが焚かれ、二人は眩しさに目を開ける事も出来なかった。
ようやく視力が回復した頃にはレポーターがアスカとシンジの周りに密着し、
マイクを突き出して来た。
「アスカさんが冬季公演に主役で再デビューするとの事でここに来たのですが、
お二人は付き合っているのでしょうか?」
アスカのコメントを取りに来ただけだったが、予想外にシンジとのツーショットを目撃
してしまったレポーターが口早に質問を浴びせかけて来た。
アスカはこの騒ぎの中、勇気を出してシンジにキスしなくて良かったと思っていた(笑)
裏庭歌劇団
作:尾崎貞夫
第11話【予行演習】
「裏庭歌劇団に所属する現在若手No1の碇シンジ氏と惣流アスカが密会!?」
「我々取材班はホテルから出てくる二人を激写!?(マンションだっつの)」
「事情通の話によると、学生時代から公然と付き合っていたとか!?」
「姿を消していた惣流アスカさんの復帰第一作はなんと冬季公演!?」
その日の夕刊にはたいした記事が出なかったものの、翌日の朝刊や週刊誌には
憶測と邪推による当て推量な記事が乱れ飛んでいた。
「ふむ……シンジもなかなかやるもんだな……」
普段購読していない新聞は駅にまでユイに買いに行かせたゲンドウが
何故か満足気な顔で買って来た新聞の全てに目を通していた。
「話題性と言う点では冬季公演の為になるんでしょうけど、純粋なあの二人を
そっとしておいてあげられないんでしょうかねぇ あなた」
ユイはそっとゲンドウに夫婦茶碗ならぬ夫婦湯のみにお茶を入れて渡した。
「純粋? あいつは私の息子だぞ? そんな甘い事言ってるとすぐおばあちゃん
と呼ばれるようになるかも知れんぞ」 ゲンドウはにやりと笑みを浮かべた。
「あらあら、私は早く孫の顔が見たいですわ それに来年には婚約するんですし、
多少のフライングは頓着しませんのに……」ユイは慈母の笑みを浮かべて答えた。
退院の際ユイが淡路島に赴いたのは公然の秘密ではあるが、
水面下でこのようになっていた事を知る者は僅かである……
もう離れたく無いと懇願するアスカの言をそのままに受け取りユイが快諾したのだった。
その頃二人は…… 移動する先々で取材陣に追われまくっていた……
「遅くなってすみません 車を出た所で囲まれちゃって」
明日から開演する劇場に打ち合わせの為訪れたシンジは背広を皺だらけにして現れた。
「それなら今晩は近くにホテルでも取りましょうか? おかげで明日からのチケットは
全部売り切れましたし、それぐらいの事はさせて貰わないと……」
支配人は手を揉まんばかりの笑顔で答えた。
「そうですね……遅刻でもしたら洒落になりませんからね……お願いします」
「先生〜なんか落ち着かないんですけど」
ダンススタジオで一心不乱に練習をしているアスカを尻目に他の生徒は浮き足立っていた。
強化ガラスの向こうでは取材陣がアスカが出てくるのを待ち受けているから無理無いのだが
「あら、そう? そのアスカさんは雑音が耳に入って無いみたいですよ」
ダンスの先生は隅の方で一心不乱に踊るアスカを指差して言った。
その日の午後6時半……打ち合わせの後 支配人に手配して貰ったホテルに行き
シンジは明日から始まる公演の台本に目を通していた。
少しうとうとし始めたので目尻を押さえて眠気を追い払おうとしている時に、
ホテルのドアが二度ノックされた。
「はい」 シンジは不審に思いつつも話しかけた。
「ルームサービスです」
「ルームサービスなんか頼んだ覚え無いけど……部屋間違えて無い?」
「東方劇場の支配人の方からです」
「そうですか ドアは空いてますんで」 シンジは再び台本に集中していた。
ドアが開き、バスケットとポットを手にした女性が中に入って来た。
髪にはメ●テルかブギ○ポップのような帽子をかぶり黒いサングラスをかけ、
口にはマスクをつけたその姿に気づいてシンジはようやく尋常ならざる事態だと気づいた。
「な、何ですか その格好は!?」
シンジは慌てて身構えた。
そして内線電話に飛びつこうとした時、ようやく種が明かされた
「シンジっ 私よ わ・た・し」
慌てて帽子を脱ぎサングラスとマスクを外したアスカは、
シンジが取り上げていた受話器を降ろした。
「何だ アスカか 驚かさないでくれよ」
シンジは安堵のあまり大きく息を吐いた。
「劇場に電話したら支配人さんが出て、ここを教えてくれたの このホテルにはレストラン
が無いそうだし、下手に外出も出来ないだろうから、サンドイッチ作って来たのよ」
アスカは手にしていたバスケットを持ち上げた。
「うわ カツサンドかぁ 美味しそう」
シンジはアスカが持参した濡れナプキンで手を拭きながら言った。
「はい コーヒー」 アスカは部屋に常備しているコップにコーヒーを注いだ。
数分後 二人はカツサンドを食べおえ、コーヒーを飲みながら台本に目を通していた。
「うわ……こんなシーンがあるんだ……」
アスカは2015の第二幕の所を読んで頬を赤らめた。
「どうしたの?」 読み終えた台本を置いてコーヒーカップに手を伸ばそうとしていた
シンジがアスカの様子に気づいた。
「これ……読んでみてよ……」 アスカは台本の問題のある部分を開いてシンジに渡した
「んー だけどエヴァ本編の時はもっと洒落にならないシーンもあったじゃ無いか……」
シンジは平静を装ってはいたものの、内心少し焦っていた。
「だって今回はシンジじゃ無いんだし…… 不安なの」
「じゃ台詞の読み合わせをしてみる?」
シンジはベッドに腰かけ台本をアスカにも読めるように差し出した。
「うん……」 アスカはシンジの横に座り、緊張の余り手にかいた汗を膝になすりつけた。
「じゃ、始めるね」
「私はシンジの意見も尊重したいんだから、出来るだけ早く帰って来てね?
シンジがくつろげる部屋にしたいんだから……」
アスカはうなづいて肝心の部分を読みはじめた。
「うん……だけど……僕はアスカがここにいるだけで安心出来ると思うんだ……」
「シンジ……」
「愛してるよ アスカ」
二人とも練習だと言うのに眼を潤ませてお互いを見つめあっていた。
「僕も……このシンジと同じだよ 君に……いて欲しいんだ」
「シンジ…… 私もシンジといたい」
もう二人には言葉はいらなかった。
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だからレイはどうしたっつの
2015読んでねぇよ
よくやったな・・シンジ
問題無い・・・
おまえには失望した
ここに、何か一言書いて下さいね(^^;
内容確認画面を出さないで送信する
どうもありがとうございました!
第11話 終わり
第12話
に続く!
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