あれから、二月がたっていた。

アスカは、父惣流博士の研究の成果を身体に受けていたので、

身体はあちこち骨折していたものの、雪の中で仮死状態になっていたようだ。

リツコさんが今やっている研究も、アスカの存在のおかげで、急ピッチで進んでいる。

綾波レイは、一命を取りとめ、第二東京市で療養生活をしているそうだ。

シンジはレイに貰った手紙の内容を思い出した。


拝啓 碇シンジ様


私・・実は今度、私の担当医の、若いお医者さんと結婚する事になりました。

アスカさんが無事だったそうで、よかったですね・・

どうかお幸せに・・・




今日は、アスカがようやく退院出来る日であった。

シンジはアスカの病室の前に立っていた。

コンコン

「開いてるわよ」

シンジは病室に入った。

そこには、すっかり元気になったアスカが、荷物を持って微笑んでいた。

「アスカ・・行こう・・・」

「うん・・」


二人は病室を出た。


「碇君 おめでとう!」




「おめでとう アスカさん」




「おめでとう!碇君・・アスカさん」




「よかったわね・・本当によかったわね」




そこには、見知った顔ぶれがそろっていた。

「さ、この中を通って行くのよ・・シンジ君・・アスカさん」



「みんな・・」





シンジとアスカは、所員の手と手で作られたアーチの中で、



所員の暖かい言葉に包まれていた。



「おめでとさん」




「幸せになるのよ・・」



「がんばれや」



「おめでとう・・」




「おめでとう!」



シンジとアスカがアーチを抜け、研究所を出ると、そこには、父ゲンドウが立っていた。

「おめでとう・・シンジ・・また二人で上がってこい・」父ゲンドウが心なしか目を潤ませて立っていた。

「ありがとう・・父さん・・僕達・・今度こそ・・二人で幸せになるよ・・」



「シンジ・・」

アスカが握った手に力を込めた。


「さぁ・・いこう・・アスカ!」




二人はリフトに向かって歩いていった。


大勢の所員が研究所の前で、二人の旅立ちを見送っていた。



二人を乗せたリフトには花が飾られていた。


「シンジ・・」

「アスカ・・」


二人は降りていく、リフトの中で抱き合った。


そして、二人は唇を重ねた。



「シンジ・・・」


「アスカ・・・」


「雪が降ってる・・」


「ホントだ・・・」


「きれいね」

「うん・・」





その頃・・第二東京市の病院内・・

「綾波さん・・検診の時間ですわ」

看護婦が、レイの服の胸元を上げた。

「綾波さん・・若いんだし、治りは結構早いと思うわ」

レイの担当医の女医が微笑んだ。

「はい・・」

(碇さん・・アスカさん・・お幸せに・・)

レイは遥か彼方にいるシンジ達に、向けて微笑んだ。






シンジとアスカは万感の思いを込めて、雪に包まれていく、山を見ていた。








fin









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