”良い仕込水 ”とは、発酵、貯蔵に有害な成分である鉄分が少なく、発酵を促進するカリウム、リン、マグネシウム等の成分が適度に含まれている水と言うのは、だれしも認める所ですが、では、”吟醸酒に適した仕込水 ”と言いますと、鉄分を含まないのは絶対条件ですが、軟水が良いか硬水が良いかというのは意見の分かれるところです。 硬水は、『灘の宮水』に代表される様に”強い水“として、酵母の育成、もろみの発酵を促進する成分を十分に含み、しっかりとした酒をつくると言われています。一方、軟水は、発酵を促進する成分は少ないのですが、吟醸造り独特の穏やかな長期低温発酵には、適していると、言われています。

 硬水、軟水のどちらが良いかというのは、一概には決められないと思いますが、一つ言える事は、米、造り、そしてその土地の風土に合ったすばらしい水が、その土地のすばらしい地酒を生みだすという事です。そして、天の恵である、すばらしい水を育む美しい自然に感謝したいと思います。

項目 飲料水基準値 今小町仕込水
 アンモニア性窒素 (mg/l)
未検出
 亜硝酸性窒素   (mg/l)
10以下
0.57
 塩素イオン    (mg/l)
200以下
3.9
 有機物等     (mg/l)
10以下
0.9
 一般細菌     (1ml中)
100以下
0
 pH値
5.8〜8.6
7.8
         (ppm)
0.3以下
0.005〜0.006
 色度       (度)
5度以下
1度未満
 濁度       (度)
2度以下
1度未満
 硬度( Ca,Mg 等 )(mg/l)
300以下
52.1
 臭気,味
異常でないこと
異常なし