ＯＮＫＹＯ　ＩｎｔｅｇｒａＣ−７００
ＯＰＴ-ＣＯＵＰＬＩＮＧ　ＣＯＭＰＡＣＴ　ＤＩＳＣ　ＰＬＡＹＥＲ　￥１３８，０００
 

オンキョーが１９８５年に発売したＣＤプレーヤー。世界で初めて「光伝送」によるデジタル・アナログ間の
信号伝送方式を搭載したＣＤプレーヤーで，このＣ−７００以降，フォトカプラーなどによる「光伝送」が多
くのＣＤプレーヤーに取り入れられていきました。どっしりとした外観と，その中に秘められた先進性は，
当時，話題を呼びました。

Ｃ−７００では，デジタル回路とアナログ回路を完全に電気的に分離するために光ファイバーを利用した
世界初の「光伝送システム」を搭載していました。デジタル信号処理回路のクロック信号をはじめ，回転
系，光学系のサーボ，ディスプレー表示などから発生するパルス成分がアナログ信号に流れ込むことを
防ぐために，デジタル回路終段のデジタルフィルターの出口とＤ／Ａコンバーターとの間を光ファイバーケ
ーブルで結合して信号ライン，アースライン共にデジタル／アナログ間を完全に分離し，電源回路もデジ
タル／アナログ分割を徹底して行っていました。「光伝送」は，実際には，１６ビットのデジタル信号をシ
リアル変換し，Ｌ／Ｒクロック，ワードクロック，ビットクロック，データー信号，ディエンファシスとオーディオ
ミューティング信号の系６系統の光信号が，６本の光ファイバーで送られる形になっていました。

デジタル部は，９６次オーバーサンプリングデジタルフィルターと２倍オーバーサンプリングの高精度・高
速１６ビット・Ｄ／Ａコンバーターの組み合わせになっていました。これに，折り返し雑音の影響を完全に
除くために７次のアクティブ・ローパスフィルターを搭載していました。

ピックアップメカニズム部は，レーザーピックアップ，ピックアップ駆動モーター，ディスク回転用モーター
等の機構部品をアウトサートシャーシによる超精密仕上げの一体化構造を採用し，このヘッドブロックは
メインシャーシから浮かせた防振構造になっていて，外部からの振動・衝撃等の影響を避けるようになっ
ていました。

「光伝送」を採用した結果得られて中高音の美しさを生かし，それに劣らない低音部再生をするために，
電源部，アナログ部には同社のインテグラシリーズのプリメインアンプで開発された技術が投入されて
いました。電源トランスは，巻線をデジタル／アナログ別巻線とし，さらに，巻線間をシールドして相互の
干渉を排除していました。また，アナログ電源には，アンプで開発されたデルタターボ回路を付加し，電源
トランスを純電気的に切り離し，電源トランスからの変調雑音のアナログ回路への流れ込みを完全にカッ
トしていました。また，アナログ回路には，同じくアンプで開発されたスーパーサーボ方式を採用し，不要
な超低域成分をカットし，信号系路のコンデンサーを排除したＤＣ構成を実現していました。これらにより，
特に，低域特性の向上が図られていました。

オンキョー渾身の力作ともいえたＣ−７００は，その歪み感の少ない透明感のある中高域の再生により，
「光伝送」の威力を世に知らしめ，多くの追随者を生み出しました。しかし，「光伝送」のみならず，各部
にオンキョーのアンプ技術，電源部技術が生きた名機だったと思います。

以下に，当時のカタログの一部をご紹介します。

光ファイバーケーブルによる　
”光伝送方式”採用。　　　　　　　
ＣＤ音質の改善のキーポイント
<デジ/アナ完全分離>を　　　　
世界で初めて実現しました。

※本ページに掲載したＣ-７００の写真・仕様表等は１９８５年９月の
ＯＮＫＹＯのカタログより抜粋したもので，オンキョー株式会社に著作
権があります。したがってこれらの写真等を無断で転載，引用等をす
ることは法律で禁じられていますので，ご注意ください。
 

★メニューにもどる
　　　　　
　
　　　　
★ＣＤプレーヤーのページにもどる
 
 

現在もご使用中の方，また，かつて使っていた方。あるいは，思い出や印象のある方
そのほか，ご意見ご感想などをお寄せください。

↓
k-nisi@niji.or.jp