DP-80・DC-81の写真
Accuphase DP−80・DC−81
COMPACT DISC PLAYER DP−80  ¥260,000
DIGITAL PROCESSOR DC−81    ¥400,000
アキュフェーズが1986年に発売した,同社初のCDプレーヤーです。本格的なセパレート型CDプレーヤーで,初の
光接続を採用したセパレート機でした。アキュフェーズは,これ以降もすぐれた高周波技術とアンプ技術を生かしてす
ばらしいCDプレーヤーを発表していったのはご存じの通りです。これは,その幕開けを飾った製品で,しかも高い完
成度を誇っていました。当時,あのアキュフェーズがCDプレーヤーを作ったことと音のすばらしさに驚いたものです。

DP−80は,ソニー製のリニアモーターピックアップを搭載していました。専用開発の8ビットマイクロプロセッサーと
の組み合わせで,1秒以内の素早く静かな選曲ができました。メカニズム本体もソニー機と同様にセラミックと特殊
樹脂による高剛性のベースにマウントされ,シャーシからはフローティングされて耐振対策がとられていました。何よ
り本体重量が15kgもある堅牢なフレーム構造が特徴でした。

DP-80の内部

DC−81は,16ビットのマルチビットDAコンバーターですが,世界初で,たぶんこれ以降も例の少ないディスクリート
方式のDAコンバーターでした。通常ICで済ませてしまうDAコンバーターを,16個の電流スイッチ素子と超精密抵抗
器で構成するもので,完全な動作を実現するために,それぞれ厳密に調整するという手の込んだものでした。これに
より,正確なDA変換が可能になりひずみも極小に抑えられていました。フィルター部は,左右独立121次2倍オー
バーサンプリングのデジタルフィルターとGIC型9次バターワース型アナログフィルターで構成されていました。デジ
タルフィルターから出た信号は,光伝送され,デジタル部とアナログ部は電気的に完全に分離されるようになってい
ました。      

DC−81のアンプ部は,アキュフェーズの技術が生かされたもので,DA変換部でのゲインを増幅の必要がない出
力になるように設定し,ゲイン0dBのプッシュプルDCサーボ直結方式のアナログ出力段となっていました。電源部
は,アナログ部,デジタル部が電源トランスから独立構成とされ,金属によるシールドとともに完全にシールドされ
る構造となっていました。     

DC-81の内部

DP−80とDC−81の接続は同軸接続の他に,世界初の光接続が採用されていました。当時,光接続による透
明感に驚いたものです。これ以降,各社のCDプレーヤに光接続が流行したことが思い出されます。本機のように
きちんとコストをかけて作られた光接続ならよいのですが,安価な普及機にまで採用され,光接続が音が悪いと
いう誤解を生んでしまう結果にもなりましたが,残念なことでした。
アキュフェーズらしい,ゴールドヘアライン仕上げ,通常使わないスイッチをシールドパネル内に格納する美しい
デザインは,当時,他のCDプレーヤとは異なり,優美な感じで高級感を感じさせたものです。(どちらかというと
メカっぽいデザインが多かった。)何と言っても,この当時の最高級CDプレーヤーとして君臨したのがDP−80
とDC−81のペアでした。  

 
以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。



 

DP−80

◎標準75Ωケーブルの他に本システム専用の広帯域光ファイバー
  出力を装備・不要輻射による音質劣化を防止。電源を通しての干
  渉も本格的なラインフィルターで遮断。
◎全ての動作のタイミングを1つのマスター・クロックでコントロール。
  ビート音を発生せず,音質の劣化が皆無。
◎リニアモーター・レーザーピックアップと8ビットマイクロ・プロセッサ
  ーにより1秒以下の選曲時間。
◎セラミック混合特殊樹脂をベースに,更にフローティングにより振動
  共振対策を施したメカニズム。
◎重量級シャーシによる無共振設計。
◎アナログ・プレーヤ感覚の操作機能。
◎一連のアキュフェーズ・ラインにマッチしたシンプルで優美な外観。

DC−81

◎ディジタル入力端子は独自の広帯域光ファイバー用が2系統,
  標準同軸ケーブル用1系統。
◎理論限界値の性能を実現した世界初のディスクリート方式D/A
  コンバーター。
◎CDプレーヤでは初の,16ビット及びデグリッチ信号を独立した左
  右合計34個のオプト・アイソレーターを通してD/Aコンバーター
  に伝送。ディジタル部とアナログ部を電気的に遮断し干渉を防止
◎音質重視・左右独立,2倍オーバーサンプリング121次ディジタル
  フィルター
◎素子を厳選したGIC型9次バターワース・アクティブ・フィルター。
◎ゲイン0dBバッファー・アンプのみのDC直結出力段。
◎パッシブ素子とバッファー・アンプで構成したエンファシス回路。
◎ディジタル部とアナログ部を独立電源トランスで分離すると共に,
  金属で完全シールド。更にアナログ部は左右の回路を独立基板で
  構成,トランスの巻線も独立分離し相互干渉を防止。
◎徹底した不要輻射対策。
◎オーディオ出力は固定及び可変出力が各1,そしてXLRタイプの
  平衡出力も装備。
 
                      
                             
 

●保証特性●

●CDプレーヤ DP−80                                 


形式 CD専用ディジタル信号再生器
フォーマット CD標準フォーマット 
 エラー訂正方式:CIRC 
 チャンネル数:2チャンネル 
 回転数:500〜200rpm(CLV) 
 演奏速度:1.2m/s〜1.4m/s 一定
読み取り方式 非接触光学読み取り(半導体レーザー使用)
レーザー GaAlAs(ダブルへテロ・ダイオード)
ディジタル出力フォーマット・レベル フォーマット:DIGITAL AUDIO INTERFACE 
OPTICAL:光出力;−9dBm 
発光波長:660nm 
CAXIAL:0.5Vp-p 75Ω
使用半導体 22Tr 27IC 34Di
電源・消費電力 100V・117V・220V・240V 50/60Hz 15W
寸法・重量 幅475mm×高さ135mm(脚含む)×奥行373mm 15.0kg

●ディジタル・プロセッサー DC−81                          


形式 CD専用ディジタル・プロセッサー
フォーマット CD標準フォーマット 
 量子化数:16ビット直線 
 サンプリング周波数:44.1kHz ±5Hz
周波数特性 4.0〜20,000Hz ±0.3dB
全高調波ひずみ率+ノイズ 0.002%(1000Hz) 
0.008%(20〜20,000Hz)
S/N・ダイナミックレンジ 106dB
チャンネル・セパレーション 100dB
定格出力・出力インピーダンス FIXED  BALANCED   :2.5V 50Ω(25Ω/25) 
                           平衡XLRタイプ 
       UNBALANCED:2.5V 50Ω 
                           RCAフォノジャック 
VARIABLE UNBALANCED:0〜2.5V 1.25kΩ(最大) 
                           RCAフォノジャック
ディジタル入力フォーマット・レベル フォーマット:DIGITAL AUDIO INTERFACE 
OPTICAL:受光電力:−15〜−28dBm 
COAXIAL:0.5Vp-p 75Ω
使用半導体 66Tr 8FET 68IC 44Di
電源・消費電力 100V・117V・220V・240V 50/60Hz 25W
寸法・重量 幅475mm×高さ135mm(脚含む)×奥行373mm 15.5kg
※本ページに掲載したDP−80,DC−81の写真・仕様表等は1986年3月のアキュフェーズ
のカタログより抜粋したもので,アキュフェーズ株式会社に著作権あります。したがってこれら
の写真等を無断で転載,引用等をすることは法律で禁じられていますので,ご注意ください。



 
 

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