読んではいけない

良い子の共産党党員は読んではいけません。
以下に掲げる文献は、良い子の日本共産党党員は読んではいけません。
どうしても読むというのであれば、忠誠心の強い上級指導員のレクチャーに従って読みましょう。

「日本共産党への手紙」 有田芳生編 教育史料出版会、1990年
有田さんは、これを出版したために、共産党を去ることになりました。共産党は内部の声に耳を傾けない恐ろしい組織です。有田さんが、何の悪いことをしたというのでしょうか。

「共産主義者、奔走す」 生田あい編 論創社、1999年
ソ連が崩壊した後の、共産主義者の言い訳の本です。「共産主義者」といいますが、日本共産党の本ではありません。共産主義者といっても、共産党だけじゃないんですね。日本共産党批判もあります。 

「闇の男 野坂参三の百年」小林峻一、加藤昭、1993年
共産党の大幹部「愛される野坂さん」が、実はソ連のスパイで、友人を処刑にさせた人でした。その野坂さんの闇の部分を追求した本です。昔から共産党の大会で「野坂問題はどうした」などと追求があったのですが、共産党はその問題と向き合うことはしませんでした。共産党は悪い人が出ると、「一部だ」とか言うけれど、結果責任を取らないといけないんじゃないですか。自民党が同じようなことをしてたら、それと関係のない総理大臣とかの責任も追及するでしょ。

雑誌「諸君」各号
文藝春秋の雑誌です。右よりです。

雑誌「正論」各号
産経の雑誌です。黒坂真さんも、執筆するときがあります。

「北朝鮮覇権主義への反撃」 赤旗編集局 新日本出版社、1992年
共産党機関紙「赤旗」1968年一月の分
上記の二つの資料は同時に読んではいけません。良い子の党員は「北朝鮮覇権主義への反撃」の方だけ読みましょう。

「楽園の夢破れて」 関貴星 亜紀書房、1997年
著者の関さんは、在日の方です。北朝鮮への帰国事業に対する強烈な告発本です。日本共産党の対応に対する批判があります。これを読めば、帰国事業に対する共産党の言い訳も空しくなるでしょう。当時の状況があるにしても、北朝鮮のような監獄に送るのがベターだというわけではないでしょう。共産党は結果責任を取るべきだと僕は思います。萩原遼さんの解説もあります。

「前衛」1962年10月号
1962年10月号の前衛は読んではいけません。どうしてかって?読んでみれば分かります。

「幻想と批評」創刊号
共産主義、社会主義の幻想を批評した本です。共産党と対決している兵本達吉さんが編集人です。共産党がどう兵本さんを批判しようと、彼が共産党の国会議員の元秘書だった事実は変らないし、共産党にはそれが騒音のようについてまわるでしょう。
兵本さんは、前書きで、共産主義の醜悪な姿を暴露し、とどめを刺し、引導を渡すことが急務だと述べています。

「社会党に騙された」宝島社 別冊宝島055
宝島社の「社会党に騙された」の165ページから、黒坂真さんが書いた論文があります。
タイトルは、「社会党と共産党、どこが違うのか」です。なぜ、社会党は崩壊し、共産党が残ったのかの分析があります。
黒坂さんによると、かつて社会党は、思想的にいろいろ幅広い人材が集まっており、社会党もそれを受け入れるだけ寛容だったということです。それで、支持を伸ばしました。一方共産党は、党指導部が認める思想以外は排除してきたので、社会党ほど支持を伸ばさなかったけれど、その分強固な組織を持つに至り、崩壊を免れているというわけです。
そして、社会党と共産党、両党とも野党であるがゆえに、国家と対立することはあっても、国家を守ろうとする発想がなかったということです。その無責任さゆえに、「拉致問題」などで、ああいう無責任な対応を生み出したということです。
以上、僕なりにまとめましたが、間違っていたら、黒坂さん、ごめんなさい。

「日本共産党の研究」 立花隆 
立花隆さんは、この本で、ミヤケンがしたとされるリンチ事件など、共産党の闇の部分について書いています。以前、この本を共産党の土佐高知さんも批判していました。
まあ、共産党にしてみれば、最高幹部がリンチをしたなんて、そんなことはあってはならないことでしょう。共産党の言い分によると、あれはリンチじゃなくて、突然死だそうです。土佐高知さんと議論をしたとき、仲間が死体をこっそり埋めたことは認めていましたが、あれも当時の状況では仕方がないということだそうです。
この本を書いたため、立花さんは、共産党から、「なんとか分子」みたいな感じでえげつないレッテルを貼られているみたいです。共産党はレッテルを貼るのが好きというか得意なんですね。
ちなみに、僕は立花さんをすごく支持しているという訳ではありません。自画自賛本をよく出しているし。
お笑い日本共産党の独習指定文献です。よい子の日本共産党党員は読んではいけません。

「北朝鮮世紀末読本」小学館
このムックは、社会主義国北朝鮮にまだ未練を感じている方は読んではいけません。また、かつて社会主義国北朝鮮を「楽園」だとか「国民は生活に不自由なく、平和に暮らしている」とみなしていた政党の支持者も読んではいけません。
特に、51ページからの在日の脱北者の記事は、読んではいけません。
当時、両親は既に年老いて仕事をしておらず、長兄がパチンコ店の経営と金融業を営んでいました。他に編み物教室も経営していて、生活にそんなに苦労はしていませんでした。(中略)新潟から船に乗ってチョンジン港に着いたのですが、私は、すでにもう、その船の中で、「騙された」と感じていました。(中略)北朝鮮の人々は、帰国した在日朝鮮人たちを実に冷たい目で見るのです。蔑称で呼ばれ、当局からも制約を受ける
ということだそうです。
そのまま、日本に住んでいたら、生活で苦労することもなく、北朝鮮での差別も受けずに済んだというものです。
彼の人生を狂わせたのは、誰でしょう。

以下に、日本共産党の言い訳を考えました。
共産党の責任だけではありません。当時の総連や赤十字、政府自民党も後押しをしていました。彼らは、日本での貧困や差別から逃れるために、社会主義国建国の希望に燃えて北朝鮮に帰ったのです。誰が彼らのそういった当然の権利と熱い思いを止めることが出来るのでしょうか。
(共産党の考えそうなことは、だいたいこんな感じだと思います。脱北者と一度論争で対決させてみたいですね)
共産党は、現在も、北朝鮮の社会主義国建国を目指して祖国に帰還することを勧めているのでしょうか。それとも、「やめておいたほうがいいよ」と止めるのでしょうか。


「隣の共産党員」 金井次郎&共産党私設応援団 データーハウス 1999年
共産党の自称私設応援団が書いた本です。民商に関わる主人公を中心に、共産党の日常を観察するという形式の本です。主人公は党員ではないですが、共産党支持者で、共産党は未来を担う政党だと信じています。語り手の著者もそう信じているでしょう。なんせ、この本が出版された頃は、共産党が参議院で15議席獲得の躍進した頃です。この調子で共産党の議席が増えていくと妄想したのかもしれませんね。その点では、著者にはもう少し巨視的なものの見方が求められるでしょう。
確かに、共産党の日常を知るのには、興味深い本だと思います。
また、主人公が自民党の党員と対話をして、感銘を受けるシーンがあったり、カンパに疑問を持ったりという場面もあります。党本部としては、こういった本は有り難迷惑なのかもしれませんね。

「日本共産党」 筆坂秀世 新潮社 2006年
筆坂さんといえば、言わずとしれた共産党の元ナンバー4で、政策委員長を務められていた人です。筆坂さんは、セクハラをしたということで失脚したわけですが、その筆坂さんが党を辞めてから書いた暴露本がこれです。
この本を読んでの感想は、「共産党はやはり組織の党だなあ」ということです。組織原理主義とでもいいましょうか。物事の道理よりも組織としての建前が幅を利かせている党なんだなあと思いました。しかも、そのトップに立つオーナーが指導者として不適格の不破さんだから、党員は気の毒ですね。
筆坂さんのセクハラ失脚も、そういった党組織が生んだようなものです。道理が分かる党なら、筆坂さんが失脚することはなかったと思います。
あと、共産党は、物事の軽重が分からない党なんだなあと改めて思いました。筆坂さんのセクハラ疑惑を隠蔽しようとあれこれと大騒ぎをしましたが、結果はどうでしょうか。結局、より多くの恥をかきダメージを負ったのは共産党です。最初から、筆坂さんのセクハラなるものは存在しないのだという路線で勝負をするべきでした。下手に臭いものに蓋をしようとするから、国会議員を辞職させるとか禁酒法を出すとか余計な騒ぎを自ら作ってしまったようなものです。
何事も思い込みどおりにはいかないものです。不破さんは、理不尽な処分を受けた人の気持ちなどは分からなかったのでしょうね。
この本には地方組織の党員の不満や苦しさや運動の質の低下について書かれています。ぜひ、党員のみなさんもお読みになり、自身のおかれた立場と比べてみてはどうでしょうか。
いや、そうすると、「筆坂さんの本に書かれている地方組織の問題はその通りだ。よって、本の内容も真実に違いない」と思う党員が増えるかもしれませんね。
共産党の幹部の方は、若い党員がそのような有害図書を手に取らないように、指導をしなくてはなりませんね。



皆さんのほうで、「よい子の日本共産党党員は読んではいけない文献」や、あるいは「お笑い日本共産党の独習指定文献」でお心当たりがございましたら、是非、ご紹介ください。


戻る