「春待草〜帝都を走る」−ミミガー編 |
「ところですみれ。
おめえ、ちょっと食べるのつき合わねえか。」
「食べるって、何をですの?」
「ミミガーだよ。」
「ミミガー?」
「メシのおかずに最高だぜ。」
ふっとテーブルに目を落とすと、
そこにはカンナの皿の他にもうひとつの皿があった。
いつもは隊長との早食い競争の為のものなのだが。
今日はわたくしの為?
いつもならば、上品に粛々と食べるところだが、
目の前で豪快にミミガーを食すカンナの姿を見て
ちょっと真似てみる。
「コリコリしてなかなかいけますわね。
これって一体何なんですの?」
「だからさっき言ったろ、ミミガーだって。」
「ミミガーではわかりませんわよ。」
「豚の耳の料理だよ。」
「ぶ、ぶ、豚の耳ですって…!
そんな物をわたくしに食べさせるなんて、何を考えていらっしゃるの!?」
「んだとぉ〜、人がせっかく食わせてやったのに〜!」
「お下品な貴方ならお似合いでしょうけど、
上品なわたくしには耐えられませんわねぇ。」
「もう頭にきた!このサボテン女!表に出ろ!」
「上等ですわ!この筋肉バカ女!」
初出:1999.3.2 サクラ大戦BBSにて
という訳で…
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