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さて、ここからはテキストのみで失礼します。 何せ、写真撮影している時間、なかったものですから(^^;;; 集合場所となっているバス停留所までは少し距離がありました。 その辺を考慮して早めに帰り支度を始めたのですが。 う〜〜ん、やっぱり何か飲みたいですね。 という気持ちがあったし なんとなく物足りないなという気持ちもあったのかもしれません。 ふっと前を見ると、それはこれまでの通りとはもう一つ別の通りでした。 正面に見えていた建物、木造じゃなかったとは思うのですが 石造りらしい古い建物。 何を売る店なのだろうかと、通りを一つ外れてみることにしました。 ま、バスの集合時間、もうちょっと大丈夫ね。 と思いつつ。 見えていた店は乾物屋さんでした。 う〜〜〜ん。 乾物かぁ。 まだ、明日一日金沢観光が残ってます。 ここで買うのもなぁ、とその場は断念。 しかしながらそのもう一つの通り。 さきほどの通りほど奇麗に整備されていないにしても すごく古さを感じさせるちょっと感じのいいところ。 少し歩いてみることにしました。 辺りを見つつ、時間を気にしつつ。 そんな時、突然ある古い、こちらは木造の建物が目に入ってきました。 どうやら三味線を扱っているお店のよう。 店先に三味線が並んでました。 問題はここ。 <おうす(お抹茶のこと)一杯、300円。 三味線も弾けますよ。> 三味線はいいとしておうすはいい(^^) ちょっと飲んでこようと店の扉を開けました。 古い建物でした。 すべてが木造。 扉を開けたすぐ目の前では旦那さんらしい人が何やら作業を続けてます。 「あ、二階へどうぞ。」 私達の姿に気づいて声を掛けてくれました。 ((注:この時、私の他にもう一人、一緒に歩いていてくれた人がいました) で、声をかけてくれただけで後は案内なし。 え、このまま勝手に上がっていいのかしら。 と思いつつ、履き物を抜いて。 「おじゃましま〜す」 と古い木で作られた階段を上がりました。 二階には二つの間がありました。 一つはたぶんお茶席らしい場所。 赤い絨毯がひいてありました。 もう一つはたぶん三味線の練習場所? 机の上には何やら本らしきものが置いてあります。 その周りには浮世絵。 うわぁ、ちょっとこれすごいですねぇ。 と話しつつ、絵を眺めていると・・・ 女将さんらしき女性が二階に上がってきました。 さぁ、おうすがいただけますね。 さっそくお茶席に座ることにしました。 目の前に出していただいたのは お菓子は和三盆らしき砂糖菓子。 一番シンプルな抹茶にあうお菓子です。 そしてお抹茶。 濃くなく薄くない柔らかくてぴんとした味わい。 ああ、いつもお茶点てている方のものだなぁと感動しつつ お抹茶をいただきました。 さて、それでは。 と席を立とうとした時。 女将さん、再び登場。 「それじゃ、始めましょうか?」 「え?何をですか」 「三味線ですよ、弾いて帰りましょう。」 「あのう、でももうあんまり時間ないんですけれど。」 「そんなに時間かかりませんから、さあどうぞ。」 とまぁこんなやりとりの後。 お稽古部屋に案内。 机の前に座ります。 「この布を右手のこの指とこの指に通して・・・・」 「右ひざにこれを置いて・・・」 「三味線はこう持って・・・」 「音譜の読み方はこうで・・・」 「それじゃあ、弾いてみましょうか?」 ええっ。 これだけの説明でどうやって。 と、つっこむ隙間なし。 練習曲、さくらさくらが始まります。 でも、聞こえてくるのはお師匠様の女将さんの三味線の音のみ。 私たちはというと。 えと、これで、こうして、こうやって。 ぴん。 ぴん、ぴん。 曲に全然なってません(めちゅ) こんな感じで10分くらいお稽古して さて、どうだったのでしょうか、私達は。 感想、全くなし(T−T) もうちょっと練習しなさいってことでしょうね。 女将さん、すっと立っていなくなりました。 その後も少しだけ ぴん ぴん、ぴん。 ぴん。 と鳴らして、そろそろとこの場を去ることに。 一階へと降りました。 下ではあいかわらず旦那さん、もくもくと作業を続けてます。 どうやら三味線を組み立てているよう。 一緒に居たお姉様が旦那さんに声をかけました。 「あのう、琴の爪はありませんか?」 「あ、すみません。琴と三味線の道具は違うものですから ここでは取り扱ってないんですよ。」 がっかり。 更に旦那さんの話は続きました。 「ホントは琴の道具も置きたいのですけれど それを置くとそちらにも手を広げなければならないんです。 今のところは三味線だけで精一杯ですから。」 そんなお話をしてくれました。 古い街並の中で、三味線一筋に続ける小さなお店。 私達が席を立とうとした時、一人の女性が二階に上がってきました。 私達と同様におうすをいただいてました。 きっとこれから彼女も三味線のお稽古をすることになるのでしょうね。 それとも・・・ 彼女はひょっとして、 この家にお稽古にくるお弟子さんなのかもしれませんね。 なんとなくお茶を飲むのも慣れていたような風でしたから。 ちょっぴり花街の雰囲気を味わいつつ。 私たちは再び元来た道を戻り、バス停留所へと急ぎます。 集合時間、ちょっぴり遅れたよう。 でもいい経験になりました。 金沢という街の一つの姿に出会えたようです。 |
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