その日の夕方……アスカが大学から帰って来ると、玄関にあるポストに封筒が入っていた。
「何かしら」アスカが封筒を開けると、メモ用紙と鍵が入っていた。
「これ……」 今朝自分が渡した鍵が返されたのかとアスカは顔を歪ませたが、
自分の部屋のものとは違う事に気づき、メモ用紙に視線を這わせた。
”今日は肉じゃがを多く作ってしまったので、食べに来ても可。
俺は遅くなるから一人で食べてていいから” と書かれていた。
「シンジ……」アスカはシンジの部屋の合鍵を握り締めた。
第10話 「蜜月」
「いいのかな……」 シンジは昔見せられたミサトと加持の事を思い出して少し鬱だった。
「何が?」 アスカは少し乱れた髪を片手で撫で付けながら、
天井を見ているシンジに身体を寄せていった。
「まがりなりにも、アスカは先生な訳だし……とかね」
さすがに、鍵を交換してからの数日の事で悩んでいるとは言えずシンジはごまかした。
暗黙の了解の内に……とは言ってもヒカリとアスカは知らない事であったが、事に及ぶ際
はアスカとシンジはシンジの部屋ヒカリとトウジはヒカリの部屋と定められていた。
そんな空気になった時にはモールス信号よろしく、
階下にいるトウジに信号を送っていたのであるがアスカはその事に気づいてはいなかった。
「学校では普通にしてるから、誰も気づいて無いと思うけど……それに一般教養の授業に
毎日出てる訳でも無いし」 今さら何を と言わんばかりにアスカは呟いた。
「アスカが教壇に立つ時……出席率が異常にいいって事……気づいてる?」
すでに学内では半ば公然と惣流アスカティーチャーファンクラブが出来ており、
シンジはいつか自分達が隣り合わせの部屋で暮している事に気づかれるのでは無いか
と言う事を気にしていた。
だが、シンジは気づいてはいなかったが、
女子生徒を中心にシンジのファンクラブが出来ていたのであった。
「シンジは後悔してるの? 私は後悔してないわよ……ファーストキスも……全部シンジ
にあげられたんだし……」 アスカはさすがに染まった頬を見られたく無いのかカーテン
のかかった窓の方を向いて言った。
「後悔だなんて……してないよ」 シンジは自分に言い聞かせる為に呟いた。
「私ね……ドイツに戻って、しばらくは日本での出来事を忘れる為に研究に打ち込んだの
だけど……シンジと最悪の別れ方をした事が胸にひっかかって……どうしようも無くて
そうこうしてる内に3年の年月が経った時、冬月さんから連絡が来た時は嬉しかったの
シンジのいる日本に帰れるんだって……」
「シンジの全部が手に入らないのなら全部いらないって言った事があるけど……違うのよね
自分の全部を捧げられないのなら、そんな愛情はいらないって事の裏返しだったのよ。」
「もう11時ね そろそろ寝ましょう」 アスカは自分の部屋に帰ろうとはせず、
自分の部屋から持ち込んで来た目覚まし時計のスイッチを入れた。
「他に……答えなんか無い筈なのに、何で悩むんだろう……
溶岩の中に飛び込んだ時から……そのずっと前から、僕の答えは出ていた筈なのに」
シンジはそんな事を考えている内に眠りの世界に引き寄せられていった。
そして、翌日……
シンジが目を覚ますとベッドの中にアスカはいなかった。
「アスカ……どうしたの? トイレ?」
シンジはアスカが持ち込んだ目覚まし時計を見ながら起き上がった。
「今 出来るからちょっと待って」 台所の方からアスカの声が聞こえたのでシンジは
台所の方に歩いていった。
「何してるの?」
下着の上にエプロンを付けただけのアスカがベーコンを炒めていたのだ。
「見て分からないかなぁ 朝ご飯作ってるんだけど…… 私だってドイツで一人暮らし
してたのよ? 朝ご飯ぐらい作れるわよ……簡単なものだけど」
「じゃ、シャワー浴びて来るよ……」 シンジは数歩歩いて浴室の前に移動し、服を脱いだ。
まだ完全に眼が覚めていないので、少し熱めのシャワーを浴びながらシンジは考えていた。
「アスカって料理作れたんだ……ミサトさんの料理に文句言ってたからミサトさんの味つけ
と同じじゃ無いよな……」 シンジは少し安心をしたのか胸を撫で下ろした。
シャワーを浴びたシンジはアスカと一緒にカリカリに焼かれたベーコンとトーストを食べた。
アスカは着替えの為に自分の部屋に足音を立てずに帰って行った。
「ミサトさんと言えば……あれ まだあったよな」 シンジは大学に行く準備をしながら
部屋の片隅に位牌と共に安置されている箱の事を思い出していた。
「シンジ おまたせ」 合鍵でシンジの部屋に入って来たアスカは 薄く化粧をしており、
学内の男子生徒の半数以上が魅了されるのも当然の笑顔をふりまいていた。
「アスカ……これを受け取って貰えないか? 僕が身に付けるのもあれだし……僕たちが
こうしているのをミサトさんも……喜んでくれてると思うんだ」
シンジはそう言って、白木で作られた十字架のペンダントをアスカに差し出した。
・
某ガセポスターでこの設定思い出したよ畜生(謎)
・
「ミサトの……十字架…… ありがとう シンジ」
こうして、白木で作られた十字架状のペンダントは三度所有者を変える事になった。
「似合うかな……」 アスカは早速十字架のペンダントを身に付けて言った。
「ああ……」 シンジはようやく正統な後継者に手渡せたような気になっていた。
三人の思いを伝えた十字架は陽の光を受けて輝いていた。
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ガセポスターと設定似てるよね
なんか短いぞ
よくやったな・・シンジ
問題無い・・・
おまえには失望した
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どうもありがとうございました!
第10話 終わり
第11話
に続く!
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