裏庭エヴァンゲリオン第7話【初陣】Dパート
「さぁ行こうか・・」僕たちはジャージに着替えてドアを開けた。
「シンジ?」丁度アスカ達もドアを開けた所だった。
「アスカ達も今から行くの?」
「ええそうよ!お昼食べる前にちょっとね!」
「あら、碇君達も行くの?」洞木さんも体操服姿で現れた
「なんや・・いいんちょーもかいな」
「悪い?」洞木さんが少し顔を背けた。
「いや・・そんな事無いけど・・ほな皆で行こか!」トウジは歩き始めた。
「あれ・・綾波は?行かないの?」僕はアスカに声をかけた。
「・・・ちょっと気分悪いだけだそうだから、休めば大丈夫よ!
お昼から一緒に遊ぶ約束してるしね」
「そっか・・じゃ行こうか」
「そうね・・早くしないとお昼になるわよ!」
僕たちはトウジ達の後を追いかけた。
二階に降りて僕たちは船首方向に向かって歩いて行った。
僕は娯楽室のドアを開けた。
「うわぁもう一杯だなぁ〜」僕は卓球台や、スカッシュをしている生徒達を見回した。
「おーーい シンジ!ここやここや!」トウジが奥の方から手を振った。
だが、トウジと洞木さんのいる卓球台にはケンスケの姿が見えなかった。
「あれ・・ケンスケは?」
「ああ・・ケンスケなら、カメラ持って甲板に出ていったみたいやなぁ
何でも造船所があるって言ってたかな?」トウジが答えた。
「はん・・ホントにメカフェチなんだから・・」アスカが呆れた。
「そや!シンジ!ラケットは沢山あるから、ダブルスせぇへんか?
卓球台もこれしか開いてへんし」
トウジがラケットの入ったケースを指差した。
「そうだね!やろうか!」僕はラケットの入った箱の中を覗いた。
「アスカはシェイクハンドだよね」僕はアスカにラケットを渡した
僕は普通の握りのラケットを取って、箱を元に戻した。
「ヒカリ!勝負よ!」アスカは洞木さんに目配せをして言った。
「そうやなぁ男対女ってのもなぁ」トウジが首を捻った。
「ホラ、シンジ!早くしなさい!」アスカが僕を呼んだ。
「惣流・碇チームか・・わしはいいんちょとか・・」
「何よ怖じ気づいたの?」アスカが笑った。
「よっしゃぁ 惣流!勝負じゃ!」トウジは腕をめくって言った。
「アスカ達から サーブでいいでしょ!」洞木さんがボールを持ってアスカに近づいた。
「アスカ・・ありがと」
「いいのよ・・」
二人は小声で何か話していた。
「さぁて始めるか! いつでも来いや!」トウジはラケットを構えて言った。
「ルールは10点先行したチームの勝ちでいいわね! サーブは交互でいいわね」
アスカが宣言した。
「そや!罰ゲーム有りにしようぜ! 負けた方のチームは、
勝った方のチームの言う罰ゲームをやるんや!」トウジが提案した。
「受けて立つわよ! さぁて 今から罰ゲーム考えとかなきゃね」
アスカが不敵な笑みを見せた。
そして、第一セットは始まった。
「行くわよ!」アスカはサーブを打った。
「こなくそ!」
「シンジ!」
「えいっ!」
「きゃっ!」
僕の打ち返した球は洞木さんのひじにあたってしまい、1−0
「そっちがサーブね! きなさい!」
「いいんちょ・・仇はとったる!」トウジが強烈なサーブを放った。
だが、力みすぎたのか、その玉はネットに突っかかって回転していた。
「2−0ね!」アスカは手を伸ばして回転しているピンポン玉を手にした。
「ほらシンジ! あんたがサーブすんのよ」アスカは僕にボールを渡そうとした。
「あっ・おっとっとっと」だが、僕は手からピンポン玉を落としてしまった。
コーンコーンコーン ピンポン玉は僕たちが使っている卓球台の下に転がっていった。
「何やってんのよ・・」アスカはしゃがんで卓球台の下に入ってボールに手を伸ばした。
「んん〜 もうちょいなのに・・」アスカが卓球台の下でもぞもぞしていた。
「取れる?」僕もアスカの後を追って、卓球台の下に入って行った。
「おいおい 早うせんかい・・」トウジがぼやいていた。
「あっ 取れた取れた!」僕はラケットの先でピンポン玉を手前に寄せた。
「もう・・」隣でアスカがしゃがんだまま、ため息をついた。
「よっし!」僕はボールを手にして立ち上がろうとした。
「ばかっ!」アスカが叫んで僕の肩を掴んだ。
「うわわっ」僕は膝を滑らせて床に倒れ掛かった。
僕の目の前には硬そうな床が目に入った。
僕は思わず目を瞑ってしまった・・だがいくらまっても、
床に頭を打った感触は訪れなかった・・
目を開けるとアスカが僕を横から抱きしめて支えているのに気づいた
「あ、ありがとう・・アスカ」
「いいから早く出なさいよ!」
「おまえら 何やっとんじゃ・・」
「ごめんごめん・・じゃいくよ!」僕は気を取り直してラケットを握った。
数分後・・・
僕たちはあの後なぜかぎくしゃくしてしまい・・
現在4:9で、あと一点で負けになってしまう状態まで追い込まれていた。
「覚悟はええかぁ!」トウジがサーブの構えを取った。
「今から大逆転するのよ! シンジ!」アスカが僕に声をかけた。
「うん・・がんばるよ」
「いくでぇ!」
カコン・・コン・・コンッ・・カッ
幾度と無く、リレーが続いていた。
僕も必死で玉を返していた。
「しもぉた!」トウジの返した玉が大きくバウンドして僕の目の前に跳ねて来た。
「貰ったぁ」僕はそのボールを思いっきりレシーブしようとした・・・が
「痛ぁ!」僕の手は何かに叩かれてラケットを落としてしまった。
僕の手を叩いたのはアスカの持つシェイクハンドのラケットだった。
「な、何やってんのよ!
「アスカこそ! この位置なら僕がレシーブするんだろ!」
「あんたじゃ頼りなかったからよ!」
「言ったなぁ!」
僕たちが口論しているあいだに、ネット手前で落ちていたボールがころころ転がって、
卓球台から零れおちた。
コーーン コーーーン コンコン
裏庭エヴァンゲリオン第7話【初陣】Dパート 終
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