「ミサト先生・・・これどうやって止めたらいいんですか?」
僕は操縦席に座って、僕を呼び続ける画面の向こうのミサト先生に、声をかけた。

「シンジ君!」


裏庭エヴァンゲリオン第8話【決戦は水曜日】Cパート


「何が起こったの? シンジ君は無事なのね?」

「はい・・カヲルと名乗った彼が綾波に・・・・
そして、目が光ったんです・・そしたらエヴァが動き出して、
僕を殺そうとし始めたんです!ようやく乗り込んだんですけど!」

「エヴァの動きを止めたいのね?  なら、背もたれのところに、
引き出し式の回転レバーがあるの! それを左に回して、もう一度中心に戻すの!
決して右に回しちゃダメよ!」

「わかりました!」僕は早速背もたれの中に引っ込んでいるレバーを引き出して、
左に回した。

シュゥゥウゥゥゥゥン

エヴァ初号機の動作音が止み、コクピットの中に、静けさが戻って来た。

「よし・・・」僕はそのレバーを真ん中の位置に戻した。

フォン

ガーーーー

僕のいるコクピットのある円柱が下に降りて行った。

シュイン

ミサトさんがチェックリストを読み上げながら、遠隔操作を始めた。

「神経接続完了!」

「ブラッドアライアンス認証!」

「エヴァンゲリオン初号機 起動!」

そして円柱の中に光学模様のような物が現れては消えて、
数秒後に、阿蘇山が写った。

チュドドドドド
ガーン ガーン

シュワ

拡大映像の中に、阿蘇山火口付近で、戦自の武装ヘリコプターが、
火口に向けて銃口を開いていた。

「綾波を助けなきゃ!」僕はエヴァを阿蘇山に向けて走らせた。

ガシャン ガシャン

数分後僕の操るエヴァ初号機は、火口近くの展望台まで上がっていた。

チュドーーン
ババババババ

数機残っていた、戦自の武装ヘリは一機を残してすべて墜落していた。

「何にやられたんだ?」僕はエヴァを歩かせて火口の中を覗かせた。

グヲヲヲヲヲヲヲヲヲ

火口の中から巨大なアルマジロのような生物が咆哮を上げて、這い出して来た。

「なっ 何なんですか? ミサト先生?」僕はミサト先生に通信を開いた。

「彼等に召喚されたのね・・・シンジ君!今ある武装を使って倒すのよ!」
ミサト先生が次々と指示を始めた。

「短距離6連装ミサイル 発射!」
エヴァ初号機の左右の足首の横からミサイルが飛んで行った。

「パレットガン構えて!」

「撃てぇ!」

ババババババババババ

僕はスティックのボタンを押し続けた。

視野の隅に、綾波を抱えて飛んで行くカヲルの姿が見えた。

「綾波!」

「シンジ君!今は目の前の敵の事だけ考えて!」

「わかりました・・」
僕はパレットガンの弾がなくなるまで撃ち続けた。

ババババババババババ

カチッ カチッ

「弾切れか・・ミサト先生!他に武装は無いんですか?」

「シンジ君!プログレッシブナイフが肩に仕込んであるの!
それを使うのよ・・・」

「・・・わかりました」

僕はエヴァ初号機に、プログレッシブナイフを装備させた。

ちょうどアルマジロのような巨大生物が火口から出て、
記念写真用のベンチを足で踏み潰した所だった。

「うわぁぁぁぁぁぁぁ」僕はエヴァを走らせて、上がって来たばかりの巨大生物の頭部に
プログレッシブナイフを突き刺す事が出来た。

ナイフを引き抜き、もう一度刺そうとした時!

キィーーーン

目の前に六角形の光る壁が現れて、ナイフは壁に弾かれてしまい火口に落ちて行ってしまった。

「しまった!」

ナイフの落ちて行った方に目をやった瞬間!

「ぐあっ」僕は胸に強い痛みを感じた。

巨大生物から角が生えてその角が僕が操るエヴァ初号機の胸に突き刺さったのであった。

「くッ!!」僕はもがいて角から逃れようとしたが、初号機を角にかけたまま
巨大生物は突進を初めて、ロープウエイの建物に激突した。

建物自体は壊れなかったが、巨大生物の角がエヴァ初号機を突き抜けて、建物の壁に刺さっているのだ。

僕は断続的な痛みに声を漏らしていた。

巨大生物は手も動かしてエヴァ初号機を殴り始めた。

ガンッ ガンッ ガンッ


「綾波も助けられずにここで死ぬのかな・・・・」僕は痛みの為意識が朦朧としはじめていた。

「母さん・・父さん・・アスカ・・綾波・・ごめん・・」僕は目を閉じた。

「シンジ君! シンジ君!」映像も途切れ、音だけになったミサト先生の声も、
やがて聞こえなくなった。



その時!

ぺちぺち

誰かが僕の頬を軽くたたいているような感触を感じた。

僕は目を開けた。

「きっ君は誰だ?!」

目の前に半裸の見慣れない格好をした女の子が狭いコクピットの中で
僕のすぐ目の前に覆い被さっていた。

「ここ狭いねぇ・・」だが少女は僕の質問は無視してコクピットの中を見回した。

「ど、どこから入って来たんだ!」僕は背中に冷や汗が流れるのを感じた。

「ごめんね・・さっきの質問に答えて無かったわね・・・
私の名前はラピスって言うの!」少女はそう言って微笑んだ。

素肌の上に、薄いレースのような服を羽織っただけの姿の、銀髪紅瞳の少女を僕は見入っていた。

「あんまり見ないでよ・・えっち!」ラピスと名乗った少女が微笑んで僕の鼻を突ついた。

「ど、どこから入って来たんだよ!? 君は何者なんだ!?」僕はいつしか胸の痛みを忘れていた。

「そんなに一度に言われても説明できないよ・・シンちゃん」
ラピスと名乗った少女がそう言って僕の頭を撫でた。

「そ、そうだあのでっかい生き物はどうなったんだ?」僕は混乱していた。

「あ、サンちゃんなら、また眠らせておいたわよ」ラピスが答えた。

「き、君が? そ、それにどうして僕の名前知ってるんだ!」

「まぁまぁ慌てないの」ラピスは舌を出した。

「あなたが覚醒めたら 全て分かるわよ・・さ、覚醒めましょうね」
ラピスと名乗った少女は少し恥じらいながらも、薄いレースのような服を脱ごうとした。

「イタッ」ラピスは服を脱ごうとして、肘をコクピットを囲む円柱にぶつけてしまった。
「ホントにここ狭いのよねぇ・・」少女は薄いレースの服を脱いだ。

「全ては我等の血族を絶やさぬが為に・・」そう言ってラピスは何も身に付けぬ状態で、
僕に覆い被さって来た。

裏庭エヴァンゲリオン第8話【決戦は水曜日】Cパート 終
第8話【決戦は水曜日】Cパート中編につ・づ・く! <ヲイ! ソノツギハ 中編2カ?

ホントは裏庭エヴァンゲリオン第8話【決戦は水曜日】Dパートに続きます!



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