「全ては我等の血族を絶やさぬが為に・・」
そう言ってラピスは何も身に付けぬ状態で、僕に覆い被さって来た。

裏庭エヴァンゲリオン第8話【決戦は水曜日】Eパート

「なっ何を言ってるんだ! 君は!」僕は慌てて顔を背けた。

「私の事キライ?そんなに拒むなんて・・」ラピスは涙声で僕に言った。

「そ、そんなキライとか言うんじゃ無くて・・」僕は予想外の展開にうろたえてしまった。

「シンちゃん・・あなたが覚醒めたらレイちゃんを助けられるのよ・・」

「えっ」僕は思わず振り返ってしまった。

「ちょっ・・・服着てよ・・・」僕は顔を真っ赤にして横を向いた。

「ホントにシンちゃんって可愛いんだ・・」そういってラピスは僕にすりついて来た。

「!!」プラグスーツの胸の所に柔らかい感触を感じた。

「覚醒める ってどういう事なんだよ!君はいったい何者なんだよ」僕は目を閉じて言った。

「私はあなたが会ったカヲルの妹よ・・」

「えっ! じゃ綾波をさらったカヲルの?」僕は驚きのあまり振り向いた。

「うっ・・」僕は再び顔をそらそうとしたが、ラピスの手がそれを阻止した。

「人の話を聞く時には目を見て話すって習わなかった?」ラピスが微笑んだ。

「レイちゃんを助けたいんでしょ?あなたが覚醒めればいいのよ・・
私達一族は碇・・いえリリンの血族と交わらないといけないの・・
これはもう何百年も前からの事なのよ・・碇の血族は私たちの血を引いた巫女なの・・

これまでに何代も私達と碇の血族は繋がっていたの・・そうして産まれて来た子供があなた達なのよ」
ラピスが悲しげな表情で言った。

「私たち一族の事を、一部の人間は”ナイアルラトホテップ”と呼んでいるわ・・
六分儀の血を引くゲンドウ・・あの男が本来カヲル兄さんと交わる筈の碇ユイと交わり、
その力を消し、残された唯一の適格者の碇ハルカもその弟と交わらせた・・・
だから、私たちは碇の血を引いたレイちゃんか、シンちゃんかどちらかと交わらないと、
私たちの血族を保てないの・・」

「じゃ僕たちもそのナイアルラトホテップの血を引いているの?」

「そうよ・・代々私たちは男女の双子として生を受けるの・・・
男として産れた子どもは碇の女と交わり巫女を産むの・・
そして女に産れた子どもは碇の男と交わり、ナイアルラトホテップの血を残すの」

「私たちはあなたたちが産れ、大きくなるまで待つしかなかったわ
私は剣山で・・兄は蓬莱山で・・その日を待って眠っていたのよ・・
私たちの寿命は人間よりは長いけど永遠じゃ無いから・・」

「そ、そんな話・・・急にされたって、信じられないよ」

「わかったわ・・シンちゃん・・けどこれだけは覚えておくのね」

「何を?」

「あなたとレイちゃんが交わる事は許されないって事よ・・
双方共に忌まわしい六分儀の血を引いてるから、双方共に碇の血族の力を失ってしまうわ」

「それを約束してくれたら、兄のいどころを教えるわ・・・
私は無理強いはしたく無いもの・・シンちゃんに嫌われたく無いしね」ラピスは無邪気に微笑んだ。

「ありがとう・・・えーとラピスさん・・」
「ラピスって呼んでね! じゃ、行きましょうか」

「うん!
あ、けどエヴァ動くかな?」僕は右手を動かすイメージを送った。

ガリガリ
右手がコンクリートを引っ掻くような感触が伝わった。

「もう大丈夫よ」ラピスが微笑んだ。
次の瞬間円柱に光学模様が現れて阿蘇山山頂からの景色が見えた。

「約束よ!シンちゃん!また迎えにくるからね・・
約束よ・・レイちゃんと交わったらダメだからね!
指切りしましょ

「う、うん・・」

「兄は今、雲仙地獄嶽の地下にいる筈よ・・その日をまってるからね!」
ラピスは黙って僕と指切りをしてから、いずことも無く消えて行った。

「ラピス・・・・服忘れてるよ・・」
僕は薄いレースのようなラピスの服を手に取った。

裏庭エヴァンゲリオン第8話【決戦は水曜日】Eパート終
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