「ミドリ……もし行く気になったのなら……第三新東京空港に2:45分着だから……

 弁護士さんのところにも行くから、もう夕方まで戻らないからね……」

今日は曇ってるのね……今にも雨が降り出しそう……
私は右手を握ったまま、窓の外を凝視していた。



裏庭セカンドジェネレーション

CHAPTER 11B

第11話【別離】Bパート





「それじゃ、授業が終わったら職員用駐車場で待っててくれ」

父さんは僕たちにそう言い残して、一足先に家を出ていった。


「ローラちゃんは、私が空港に連れて行くから、」母さんはそう言って仕事に出かけていった

「さ、ローラちゃん、幼稚園いきましょ」始業時間の遅いアヤさんが、ローラちゃんを幼稚園に連れて行く事になっていた。

「ちゃんと、皆にお別れの挨拶するんだよ ローラちゃん」

僕はローラちゃんの頭を撫でながら言った。

「うん……」




20分後・・


「えー 華組のみんな 集まってちょうだい」

「はーいせんせー」

「はーい」

「みんなと一緒にお勉強してた、ローラちゃんが、お母さんの都合でドイツに帰る事になりました。
さ、ローラちゃん……挨拶なさい」



「みんなの……みんなの事……忘れないからね」

ローラは必死に涙を堪え、零れ落ちそうになる涙を流さないように、上を見ていた。


「ローラちゃん……」

「ケンジ君……」
ローラは、ここの幼稚園での、一番の友達に声をかけられて、下を向いた。

「僕……いつか、君のいる街にいくよ……だから……」

「ケンジ君……」

堰を切られた涙は、ローラの頬をつたい、床に水溜まりを作っていた。



お昼ご飯をみんなと食べて、昼寝の時間になった頃、アスカが迎えに来て、ローラは、

何度も幼稚園を振り返りながら、アスカに手を引かれて、エレカまで歩いていった。

「ねぇ……また……ケンジ君に会えるかな……」

「会いたいと言う思いがあれば、きっと会えるわよ……」

「みんなにお別れ……ちゃんと言えた?」


「言えたもん……」

ローラは足元を見ながら小さい声で答えた。
「向こうで友達出来たら、私にも教えてね」

「ウン」






お引越しの1週間前に、新第三東京電力までにご連絡下さい。
みんなにゆっくりお別れの言える”新第三東京電力”からのお知らせでした。


今日は……4月1日だから……これで勘弁してちょ(笑)














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どうもすみませんでした! ホンモノは来週公開します<鬼


第11話Bパート 終わり

第11話Bパート に続く!