裏庭セカンドジェネレーション
CHAPTER 07C
第7話【夕暮れに一人】Cパート
「シンちゃん・・御風呂沸いたわよ」
僕はアヤさんの声で、眠りから覚めた。
「じゃ、身体を上向きになりましょうね」
僕はアヤさんに手伝って貰って、身体を反転させた。
「ア、アヤさん・・」
上を向くと、袖の短いTシャツと、裾の方でちらちらしてるのは、恐らくパンティーであろう・・
そんな格好のアヤさんが僕を見下ろしていた。
「私も一緒に入らないと、マッサージ出来ないでしょ・・」アヤさんが、少し恥かしそうに言った。
「じゃ、寝間着の上と、シャツを脱ぎましょうね」
「あ、はい・・」
僕は内心ほっとしていた・・理由は言うまでも無いけど・・
僕はブリーフだけを身につけて、アヤさんの肩を借りてゆっくりと階段を降りていった。
ようやく、僕達は風呂場に辿り着いた。
「そこに、座れる?」アヤさんは、椅子を指差した。
「ええ・・」僕はどうにか、椅子に座った。
「じゃ、お湯をかけるから」アヤさんは取ってのついた容器で僕にお湯をかけていった。
「入れるかな?」
僕はアヤさんの助けを借りて、浴槽に入る事が出来た。
「足、伸ばすのよ・・」アヤさんの指示どおり、足を伸ばした。
(これなら、アヤさんも入ってこれないかな? 奥行きが無いし・・)
僕のその願いは、脆くも砕けちった。
浴槽にアヤさんも入って来て、足に触らないように、僕の左足の左右にひざをついた。
「じゃ、揉んであげるからね」アヤさんはにっこり微笑んで、マッサージを初めてくれた。
あまり、満杯にお湯を入れて無いとは言え、水の抵抗のある中、一生懸命マッサージしてくれるアヤさんを僕は見ていた。
「気持ちいいですよ・・」僕は気持ちよさのあまり、目を少し閉じた。
数分後、アヤさんは、右足の方に場所を移した。
「キャッ」アヤさんは、ひざを滑らせてしまったので、僕はすばやくアヤさんを支えた。
「足・・触って無い?」アヤさんは心配そうに、下の僕の足を見ていた。
ゴクっ
僕の目は、Tシャツの首の所から見える、アヤさんの胸に注がれていた。
「大丈夫? 大丈夫?」アヤさんは、気付かずに、足をマッサージしている・・
昨日のミライの時はそれほど感じなかったが、目の前で直視してしまうと、話は違ってしまった。
(アヤさん・・・見えてます・・)僕はアヤさんに思念を送った。
「え?」 アヤさんは、ようやく気付いたようだった。
「その・・素直に言ったんですよ・・」僕は少し視線を逸らせて言った。
「もう、これ邪魔ね・・」アヤさんはTシャツを脱ごうとした。
「わっ、やめて下さいよ・・」
「どうして?」
(だって、これ以上・だと、・気付かれるかも・・)
だが、手は触れて無いが、ひざが触れている事に、僕は気付いてなかった。
アヤさんが、顔を真っ赤にしているのを見て、僕はようやくその事に気がついた。
「その・・ごめんなさい・・」僕は即座に謝った。
「いいの・・嬉しいから・・」
「嬉しい?」
「その・・私のを見て、興奮したんでしょう?」
「・・はい・・」
「わからないかな?それが嬉しいって事・・」
「ねぇ・・足が疲れたから、場所変わってくれない?」
「どうするんですか?」
「ひざ、折れる」
「あ、なんとか」僕はひざを折ってみた。
水中だからか、痛みを感じずに、ひざを折る事が出来た。
「そっちに回り込むから・」アヤさんは僕の背中の方に回り込んだ。
そして、アヤさんは腰を降ろして、足を伸ばして来た。
「ほら、私の太腿に乗って・・そしたら、楽にシンちゃんの太腿揉めるから」
「いいんですか?」
「ほらほら」僕はアヤさんに言われるまま、柔らかい、アヤさんの太腿の上に腰をかけた。
「背中・・倒した方が楽だと思うよ」アヤさんは、手を回して、僕の身体を後ろに倒していった。
「アヤさん・・」背中にアヤさんの胸を感じて僕は驚いた。
「いいから、背中をもたせ掛けてて」そういって、アヤさんは僕の太腿を揉みながら言った。
「気持ちいい?」
「いいです・・」
実際、足首から上の辺りは痛みがだいぶ薄れていたし、
太腿から、お尻にかけての部分も、アヤさんのお湯の中のマッサージでだいぶほぐれていた。
「内股は痛く無い?」
「少し、痛いです・・」
アヤさんはひざの部分から、内股の部分をマッサージしていった。
「これなら、明後日には学校にいけそうね」
「ありがとうございます・・おかげで助かりました」
「そんな他人行儀な事言わないの・・明日は、リハビリって事で、散歩とかすればいいかもね」
「明日は、アヤさん・・学校行って下さいね・・」
「・・じゃ、朝起きて、シンちゃんが、自分で歩けるぐらい、治ってるなら、そうするね」
「手が疲れちゃった・・」
「ありがとう・・アヤさん・・」
アヤさんは、後ろから僕を軽く抱きしめてくれていた。
僕はまるで、母の抱擁のように感じて、いつしかうとうとし始めていた。
「シンちゃん起きてぇ・・」
「出れらないよぉ・・」
気がついた時には、一階の寝室の天井が目に入った。
「あれ?風呂に入ってた筈なのに・・夢・・だったのかな・・」
「目が覚めた?シンちゃん」
見ると、寝間着を着たアヤさんが、僕の横に転がっていた。
「苦労したんだから・・シンちゃんが寝入っちゃうから、御風呂から出られなくなったのよ・・
お父さんが、様子を見に来てくれたから、お父さんに助けて貰ったのよ」アヤさんが僕の頭を撫でながら言った。
「す、すみません・・昨夜は痛みであまり眠れ無かったものですから・・」
「謝る事無いのよ・・もう、1時過ぎてるけど、おなか空かない?」
「空いてるみたいです」
「じゃ、用意は出来てるから、暖めるわね」
「起きられる?」
僕は足に力を入れてみた。
すると、朝に比べたら、痛みがかなり薄れていた。
アヤさんの話からすると、一時間以上も風呂の中にいたからかも知れなかった。
僕は助け無しで、起き上がり、居間の方に歩いていった。
「あ、大丈夫?シンちゃん」
「ええ、だいぶ痛みが引きました 明日は、散歩も出来そうです」
「じゃ、お昼にしましょ」
「はい」
僕は食卓の椅子を引き、椅子に座った。
「熱いから、気をつけてね」アヤさんが豚汁を置いた。
「じゃ、頂きましょう」
僕はアヤさんの作ってくれた、お昼ご飯を噛み締めながら食べていた。
「おいしいですよ!アヤさん」
「ほんと?ありがと!」
「アヤさんの旦那さんになる人が羨ましいですよ・・毎日こんなおいしいご飯が食べれるなんて・・」
「そう思ってるなら、私の旦那さんにならない?」アヤさんが微笑んだ。
「えっ・・そんな・・」
「三つも年上は嫌? そうよね・・」
「そっそんな事無いです・・僕・・アヤさんの事・・」
「ありがと! 豚汁が覚めない内に食べましょうね」アヤさんは嬉しそうに微笑んだ。
僕は内心想った・・・・・ミライより役者が上だと・・
第7話Cパート 終わり
第7話Dパート に続く!
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