YAMAHA GT−2000/GT−2000L
NATURAL SOUND PLAYER SYSTEM ¥138,000/¥158,000
この巨大ともいえるターンテーブルを駆動するモーターには,起動トルク2kg・cmのDCコアレスホールモータを採用
し,正負両方向サーボにより,正確な回転を実現していました。モーターのシャフトも直径10mmという極太のものを
採用し,重量級ターンテーブルをしっかりと支えていました。この回転系を支えるキャビネットも,高密度パーティクル
ボードを5層に積層した大型で重量級のもので,キャビネットだけで,自重が14.5kgにも達していました。塗装は,
GT−2000が同社のスピーカーNS−1000Mと同じ樺化粧・黒色塗装,GT−2000Lは,ウォルナットの板目化
粧でなかなか高級感がありました。
トーンアームは,仮想一点支持ジンバルサポートを採用し,初動感度7mgを誇る高感度,高剛性のものでした。アー
ムは汎用性の高いS字アームのロングアームをを採用し,純アルミニウム削り出しのヘッドシェルが付属していまし
た。
インシュレーターは,スプリングとラバーの複合型で低域・高域にそれぞれ適した素材を組み合わせた構造でした。
ダストカバーも,厚さ4〜5mmの分厚いアクリル製で,それだけで重量が2kgありました。このような構造もあり,ハ
ウリングにはかなり強かったと思います。
このプレーヤーには,多くのオプションがありました。電源容量を2.5倍に高め,回転系の安定性をさらに高める外
部定電圧電源YOP−1(¥32,000),オートリフタのないGT−2000に後付け可能なオートリフタYAL−1(¥9,000),
電動ポンプ式のレコード吸着システムYDS−1(¥60,000),本体重量に32kgの重量を更に加え,総重量60kg
にまで高めてしまうアンカーブロックYAB−1(¥90,000)などがありました。1番上の写真は,これらすべてを装備し
た状態です。(このときの総価格は¥329,000!)この意味でもマニアックな要求にも応えるプレーヤーシステムだっ
たと思います。

以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。
| このオーソドックスで途方もない巨大さの内に | 
| 絶対音質のための精確と精妙さを秘めた,正に | 
| Gigantic &Tremendousなマニュアルプレーヤー | 
| ◎熱間鍛造法による精密・重量級ターンテーブル | 
| ◎2kg・cmの高トルククォーツDD方式 | 
| ◎高密度パーティクルボードによる積層構造のキャビネット | 
| ◎仮想一点支持・精密ジンバルサポートのトーンアーム | 
| ◎アーム高さ調整機構 | 
| ◎重量級亜鉛ダイカスト製アームベース | 
| ◎S字形パイプ・ライトヘビーアーム | 
| ◎アンチスケーティング機構 | 
| ◎ソリッドな純アルミ削り出しヘッドシェル | 
| ◎NEGLEX製PUコード採用 | 
| ◎光学式オートリフタ機構(GT−2000L) | 
| ◎複合型インシュレーター | 
| ◎アクリル製ダストカバー | 
| ◎別売オプショナルパーツ | 
GT−2000/GT−2000Lの主な規格
●ターンテーブル●
| 径 | 374mm | 
| 重量 | 5.8kg(ゴムシート0.3kg含む) | 
| 慣性モーメント | 1.2t-cm2(同上) | 
| 材質/製法 | 熱間鍛造アルミニウム/アルマイト処理 | 
●キャビネット●
| 寸法 | 545W×395D×100H(125with Bottom)mm | 
| 重量 | 12kg(14.5kg with Bottom) | 
| 材質/構造 | 高密度パーティクルボード/4層(5層with Bottom) | 
| 仕上げ | 樺化粧・黒色塗装(GT−2000) 
       ウォルナット・板目(GT−2000L)  | 
    
●モーター●
| 形式 | DCコアレスホールモーター | 
| 駆動方式 | クォーツPLL・正負両方向FGサーボダイレクトドライブ | 
| 回転数 | 331/3 45rpm | 
| 起動トルク | 2kg・cm | 
| インジケーター | LEDロックインジケーター2個 | 
| 電子ブレーキ | オプションYOP−1使用時可能 | 
●トーンアーム●
| 式 | S字形ライトヘビー・ジンバルサポート | 
| 実効長 | 262mm | 
| 実効質量 | 22g(カートリッジ含まず) | 
| オーバーハング | 14mm | 
| オフセット角 | 20度 | 
| 水平トラッキングエラー角 | −1度〜+2度 | 
| 針圧印加方式 | スタティックバランス型(1周3.0g ,0.1gステップ) | 
| 適応カートリッジ重量範囲 | 1〜20g | 
| アーム初動感度 | 水平・垂直7mg | 
| アームリフター | オイルダンプ式キューイング | 
| アンチスケーティング | 糸吊り式 | 
| アーム高さ調整 | +10,−6mm | 
| ヘッドシェル | 純アルミニウム削り出し,13g | 
| PUケーブル | NEGLEX 2496 
       2重円筒型,130pF,350mΩ,金メッキ端子  | 
    
| オートリフター(GT−2000L) | 光学式(位置検出方式) | 
●その他●
| インシュレーター | スプリング・ラバー複合型,高さ調整可能 | 
| ダストカバー | アクリル製,2kg(サイド5mm,その他4mm厚) | 
●総合●
| SN比 | 85dB(DIN−B IEC98A WTD) | 
| ワウフラッタ | 0.005% WRMS(FGダイレクト) | 
| 寸法 | 545W×395D×230Hmm | 
| 重量 | 28kg | 
| 定格電源 | 100V,50/60Hz | 
| 消費電力 | 7W(GT−2000),12W(GT−2000L) | 
※本ページに掲載したGT-2000の写真・仕様表等は1982年10月のYAMAHAの
カタログより抜粋したもので,日本楽器製造株式会社に著作権があります。したがって
これらの写真等を無断で転載,引用等をすることは法律で禁じられていますので,ご注
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