アナログプレーヤーのコーナー

かつてはオーディオシステムの中で中心的役割
を果たしていた
アナログプレーヤー。国産機の中
にも数多くの名機・銘機,はたま
た迷機がありま
した。デジタル時代の今では,忘れ去られたかの
うなアナログプレーヤー。今,その時代を振り
返ってみましょう。 

 
 
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EXCLUSIVE P3a

あこがれのプレーヤーだった1台です。初めて実物を見たとき

まずあの大きさと優美さに驚いたものです。音を聴いてみると,
堂々としてしかもしなやかな音でした。そして,なにより驚いた
のは,少々の振動では針飛びも起こさないあの強力なインシュ
レーターでした。あの優美なボディの中には車のサスペンショ
ンのような仕組みが隠されていたのです。                  

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PIONEER PL-70LU

パイオニアが続きますが,P3aにあこがれていたわたしが,

結局購入したのがこのPL−70LUでした。そのスタイルの
良さと,オイルダンプアームに興味を持ってこれを選んだ訳
です。音の方はバランスがよくとれたなめらかな音だと思いま
す。さすがに,P3aなみとはいきませんが・・・。(全然作りが
違う。)しかし,オイルダンプアームのダンピングを調整すること
で穏やかな音から,シャープな音まで変化させることもできるの
で,いろいろ使いこなせると思います。現在でも所有しており,
現役で活躍中です。                        

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DENON DP-75M

アナログプレーヤー界では一躍名を馳せていたデンオンの
製品です。私が上記のPL-70LUを買うときに,最後まで
迷った製品です。解像度や分解能では,こちらが上かもしれ
ません。しかし,わたしは,使いこなしが少し神経質そうだっ
たので,パイオニアの方を選びました。でもこれも,当時一
般向けの高級機としてすばらしい製品だったと記憶してい
ます。たぶん,今でもお使いの方がいらっしゃるのではない
でしょうか。

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DENON DP-100M

デンオンの製品が続きますが,アナログプレーヤー界の雄
デンオンが,パイオニア(EXCLUSIVE)の超弩級プレーヤー
P3に遅れること3年。1981年に発売したコンシューマー向
け超弩級プレーヤーです。デンオンはそれまで,プロ用です
ごい実績を残していましたが,一般向けの超弩級と呼べるプ
レーヤーはありませんでした。 そんな中,ついに発売された
ものすごいプレーヤーでした。当初別売の外側のキャビネッ
トがなく,洗濯機かと思わせるほどの巨大モータと全体をコイ
ルスプリングで支えたその姿には驚かされたものです。そして
その堂々とした音にも強い印象が残っています。                                        

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MICRO SX-8000U

アナログ界のもう一つの勇者マイクロの最高級モデルです。
マイクロは超マニア向けのベルトドライブ,糸ドライブのプ
レーヤーで有名ですが,その中でもこれは極めつけの逸品
だと思います。たぶん,いまだ現役の製品なので,ここで取
り上げるのはどうかとも思いましたが,発売は1984年なの
で,ゆうに10年以上経過しているのです。28kgものステン
レス製ターンテーブルが空気の薄い膜によってわずかに浮
き上がって静かに回るエアーベアリングと呼ばれるシステム
には驚くほかありません。しかもこれほどマニアックな使いこ
なしができるモデルもないでしょう。だれでもすぐに使いこな
せるというわけにはいかないでしょうが・・・。うまく調整された
このプレーヤーの音は,実に静かで高分解能であったことが
何よりも印象に残っています。      

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Technics SL-10

D・D(ダイレクトドライブ)プレーヤーを世界で初めて商品化
したテクニクスが,D・Dプレーヤーの10周年を期して発売し
たジャケットサイズのプレーヤーです。直径30cmのLPレコー
ドが入っているジャケットのサイズ(31.5cm×31.5cm)を
世界で初めて実現したプレーヤで当時,驚異の目で迎えられ
ました。現在の携帯型CDプレーヤーを大きくしたような箱形
デザインは当時とても未来的に思えました。今見ても,グッド
ルッキングだと思いますが,いかがでしょう。フタの裏側にリニ
アトラッキングのアームとカートリッジが収まり,何と斜めにし
ても逆さまにしてもちゃんと演奏できるというその構造にも驚
かされたものです。         

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YAMAHA GT−2000/GT−2000L

YAMAHAが,1982年に発売した,マニュアル式の重量級プ
レーヤーです。本体重量28kg,ターンテーブルは,直径37cm
重量5.5kgと,これまた重量級でした。写真は,別売のアン
カーブロックを取り付けた状態で,これだとプレーヤーとの総重
量60kgにも達する超重量級プレーヤーになりました。
138,000円(GT-2000),158,000円(GT-2000L)の
価格からは信じられないほどの物量を投入し,実に堂々とした
音のすばらしいプレーヤーでした。        

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SONY PS−X9

1977年にソニーが発売した高級アナログプレーヤーです。直径
38cmの大型重量級ターンテーブルをクリスタルロック(ソニーで
は水晶制御のクォーツロックをこう呼んでいた)のダイレクトドライ
ブで駆動し,高い回転精度を誇っていました。アームは,炭素繊
維とアルミ合金を組み合わせた構造で,剛性の高いしっかりした
ものでした。このクラスでは珍しく,自社製の高級MCカートリッジ
XL-55proが付属していました。イコライザーアンプとヘッドアンプ
がプレーヤー内に内蔵されているのも珍しいものでした。たぶん
これ以降でも無かったと思います。しかし,小出力のカートリッジ
からの信号を最短距離でイコライザーまで送ることができたため,
メリットも大きかったはずです。総重量も35kgもあり,そのデザイ
ンからも感じられるように,放送局などで使うプロ機的なアナログ
プレーヤーでした。音もよく,しっかりした造りも強く印象に残って
います。                                   

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Technics SP-10MKU

1975年にテクニクスが発売したターンテーブルシステム。世界初
のダイレクトドライブ方式を
実現したSP-10の後継機で,クォーツ
ロック化され,さらに性能と信頼性を高め,D・Dの原器としての地
位を絶対のものとした名機です。現在でも世界中のプロの現場で
使われる世界に誇るターンテーブルだと思います。                                 

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KENWOOD L-07D

1979年に,当時のトリオ(現ケンウッド)が,当時高級ブランドとして
展開し始めたKENWOODブランドで発売した高級アナログプレー
ヤー。徹底した高剛性,高精度設計で,インシュレーターも持たない
という重量級プレーヤーでした。ゆるみやあそびを徹底的に排除した
その構造からもたらされる高解像度の音は,他ではなかなか得られ
ないものでした。レコードの音を分析的といえるほど徹底的に拾い出
してくれる名機でした。                          

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-D TU-1000

ローディー(日立)が,1980年に発売した高級ターンテーブルシステ
ムです。ローディーはアナログプレーヤーではあまり有名ではありま
せんでしたが,優れたモーター技術を初めとする総合的な技術水準
の高さを生かした性能の良いアナログプレーヤーを作っていました。
このTU-1000は,6kgの重量級のターンテーブルを磁力を使って
浮上させてスムーズに回転させ,非常に高い工作精度とユニトルク
モーターの威力により,限界的な回転精度を実現したターンテーブル
でした。        

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ONKYO PX-100M

オンキョーが1981年に突如発売した超弩級ターンテーブルシステ
ム。それまでアナログプレーヤーの世界ではあまり目立つ存在では
なかったオンキョーが出した超高級機で,非常にユニークな内容を
持つアナログプレーヤーでした。ちょうど電気メーターと同じ方式の
「誘導型リニアモーター」により自重10kgにも及ぶ純銅製ターンテー
ブルを駆動するもので,その驚くほど高精度で滑らかな回転による
再生音はしっかりした音場感をはじめとして素晴らしいものでした。                            

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Nakamichi TX-1000

ナカミチが1981年に発売した,超高級ターンテーブルシステム。
アナログレコードの偏芯
を検出し完全に補正して,音溝が完全な
円軌道で回転するという,ある意味で究極のメカ
ニズムを組み込
んだターンテーブルでした。カセットデッキの分野で,ヘッドの再生
アジマス
自動調整システムNAACを実現したナカミチならではの
精密で高度な仕組みはまさに名機
といえると思います。

 
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Victor QL-A95

ビクターが1982年に発売した高級アナログプレーヤーシステム。
ビクターらしい見事な木工技術で仕上げられた美しいキャビネット
を持つオーソドックスな外観を持つプレーヤーでした。一見普通で
すが,吸着ポンプユニットを追加することにより,レコード吸着ター
ンテーブルになる仕組みを備えたユニークなプレーヤでもありまし
た。マイクロ以外のメーカーでは吸着システムを備えたプレーヤー
は珍しい存在でした。

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KENWOOD KP-1100

ケンウッドが1985年に発売したアナログプレーヤー。重量級プレー
ヤ−L-07Dの思想をより現実的な価格と実用的な形で実現したプ
レーヤでした。オーソドックスな外観の中にしっかりしたフレームを
備え,徹底して高剛性を追求し,正確な音の再生を求めたその設計
は高い評価を得ました。3年後の1988年にも,全く同一の設計とも
いえるKP-9010が再発売されたことからも,その完成度の高さが
伺い知れます。

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PIONEER PL-7L

パイオニアが1984年に発売した中級クラスのアナログプレーヤー。
1979年発売のPL-○○Lシリーズとは異なり,ハードさを前面に
押し出したデザインと,上級機で培われた技術やノウハウを巧みに
取り入れた設計はハイコストパフォーマンスを実現していました。そ
のデザインは好き嫌いがあったようですが,その性能は名機に値し
たと思います。

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KYOCERA PL-910

京セラが1984年に発売した高級アナログプレーヤー。京セラなら
ではのファインセラミックを使用したプラッターが印象的でしたが,
アルミ鋳造のX字型フレームとセラミック複合材のベースによるダ
ブルフローティング構造など,各部に無共振設計を施した素材,構
造ともに非常にこだわりの見られた隠れた名機といえたと思います。

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DIATONE LT-1
ダイヤトーンが1980年に発売した高級アナログプレーヤー。
当時,ダイヤトーンはEC(電子制御)プレーヤーと称して,電
子制御のフルオートプレーヤーにこだわりを見せていました
が,その理想を追求した一つの到達点がこのリニアトラッキ
ング方式の最高級機LT-1でした。このころヤマハ,パイオニ
アなど何社かが,理想の方式として,リニアトラッキング方式
の高級機を発売しました。残念ながらリニアトラッキング方式
はオーディオファンの間では主流にはなりませんでしたが,こ
れらは,一つの理想を追求した名機だったと思います。

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PIONEER PL-L1

パイオニアが1978年に発売した高級プレーヤー。リニアトラッ
キング方式の理想を追求した高級機で,重量級の筐体と高精
度なアーム駆動はさすがにすばらしいものでした。真っ黒な筐
体が何か凄みを感じさせもしたものです。今でも印象に残るリ
ニアトラッキングアーム搭載の名機です。

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SONY PS-X800

ソニーが1981年に発売したリニアトラッキング方式採用のプ
レーヤー。ソニー自慢の電子制御アーム「バイオトレーサー」
とリニアトラッキング方式を組み合わせたハイテクの固まりの
ようなプレーヤーでした。ターンテーブルの回転系も高精度な
ものが搭載され,「ライバルはカッティングマシンだけ」という
キャッチコピーにソニーの力の入れようがうかがえました。

※ここに掲載された写真は,各製品のカタログからの
抜粋で,その
版権・著作権等は,各オーディオメーカー
にあります。したがって,
これらの写真を無断で転載等
することは,法律で禁じられている行
為ですのでご注意
ください。        
       
 
現在もご使用中の方,また,かつて使っていた方。あるいは,思い
出や印象のある方
そのほか,ご意見ご感想などをお寄せください。                      

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