SS「舞台裏の出来事」
〜幕が上がる前〜







帝劇 秋公演『青い鳥』、初日公演もまもなく終わりに近づいていた。
今回の舞台は過去の例にもれず、
原作に花組独自のアレンジが加えられている。
『ピーターパン』のフック船長の登場がそれである。

豪快なフック船長を演じるのは、花組男役の名優桐島カンナ。
未来の国でチルチルとミチルが青い鳥をかけて
フック船長に相対する最後の戦いの場面。

フックのすさまじい剣戟に、劣勢を強いられるチルチル。
まさにその時現われた目覚し時計の音を響かせた1匹のワニ。
フックの左足と時計をのみこんだ、
彼にとっては天敵ともいえる時計ワニである。
ワニの出現に動揺したフックはチルチルの剣の前にあえなく敗れ、
話はクライマックスへ…。

物語の終焉とともに流れるメロディーに乗せて、
レニとアイリスが歌い上げる新曲「希望」。
舞台袖で出番を終えたワニの着ぐるみから顔を現わした一人の男、
彼の人こそ黒子の代理で急遽出演することになった我らがモギリ、
大神一郎であった。






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