大阪万博の児童生徒の参加についての申し入れ

 このたび香川県では、県教育委員会の事業として「大阪・関西万博」未来を担う子どもたちの体験学習支援事業を行うとしました。この事業は、学校活動として大阪・関西万博への参加を促進し、新しい価値観に触れる機会を創出することとし、来年度予算に、教育活動として万博に参加する児童・生徒に入場チケット料金全額と交通費の一部(実費1/2,上限1学級10万円)を補助するとし、対象となる児童・生徒10万人分に当たる4億1832万円を計上する内容となっています。県教育委員会は、この事業内容を各市町教委、学校に周知し、参加を確認しているところです。
 大阪・関西万博については、建設費用が当初予算の2倍になり、パビリオンの建設も遅れ、全体像も明らかになっていません。また、かねてから指摘されているように会場に向かう交通手段は2つしかなく、大規模災害が起きたときの避難計画すら、まだ策定されていません。駐車場からパビリオン入り口まで1キロあり、混雑の中では徒歩で30分はかかり、低学年の子どもには大きな負担になります。さらに、団体休憩所の収容能力、熱中症対策、昼食場所やトイレの確保などの多くの問題が指摘されています。医療的ケアが必要な児童・生徒への対応も示されていません。加えて、会場となる夢州は、もともとゴミや産業廃棄物の処分場であり、3月末には発生したメタンガスの爆発する事故も発生しました。
 私たちはこのように、情報が圧倒的に少なく、安全対策も現場丸投げのような状況で、学校教育活動として子どもたちが大阪・関西万博に訪れることがふさわしいのかどうか、はなはだ疑問に感じています。児童・生徒・保護者の中にも不安を感じている人も少なからずいることでしょう。4億円を超える予算は、万博よりも他の教育条件整備に向けるべきだと考えます。

これらの問題について、香川県教職員組合は県教育委員会に対して申し入れをしました。また香川県教職員組合三豊観音寺支部が加入している三豊観音寺の教育をよくする会は三豊市、観音寺市の各学校長に対して申し入れをしています。
  申し入れ書ははこちら  県議会で万博についての質疑  植田真紀議員の質問

2024年07月05日